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只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第四第八部隊素材納品依頼

只野 優人の独Ⅸ

今日も今日とて狩り、修行、勉強。

少し前と比べて随分と戦えるようになり、魔力の扱いも更に洗練されたものになった。


これも教えてくれている皆のおかげだろう。

四方八方から弾丸の様なスピードで襲い掛かるウサきち(呼ぶのに困ったため最近名前を付けた)の攻撃を紙一重で躱し続ける。


「ホー。随分といい動きをする様になったホー。これなら次のステップに移行してもいいころホー。」

「カメー。」


フクすけは今日もカメぞうの甲羅の上から監督してくれている。

後で今日の改善点や良かったところなんかを教えて貰おう。


戦いながら思考する事も随分と慣れた気がする。

前までは戦う事で精いっぱいだったがこんな形でも自分の成長を実感できる。


突然大きな音が聞こえたと同時に白馬のエリザベスが木々の間から掛け出てくる。

いつもと違う様子に俺とウサきちは戦闘の手を止めエリザベスをみやる。


「ホー。そんなに急いでどうしたホー。さっきの大きな音と関係あるホー?」

「ヒヒーン!ブルルッ。」

「ホー…。なるほどホー。」


ウサきちが肩に飛び乗り、フクすけとエリザベスが話している所に近付くよう促してくる。

俺も気になるのでそちらに近付く。


「何かあったのか?」

「ホー。仲間が戦っているようなのホが、なにぶん相性が悪くて苦戦しているみたいホー。」

「なら今すぐに行かないと!」

「そう言ってくれて有り難いホー。ならば早速向かうホー!道案内を頼むホー!」

「ブルルッ!」


エリザベスの案内でついた場所には、茶色い体毛に両腕を甲殻の様な物に覆われたゴリラに似た生き物と、その生き物から少し離れた位置に不思議な植物が見えた。

その植物はツタが絡まり合い高さ2m程の幹を形成し、天辺の赤い大きな花は黄色い花粉を振りまいている。


その花粉には魔力が込められているようで、あまり見た事の無い魔力の形や動きをしている。

無数のツタがうねり移動しながら茶色い体毛の生き物を目掛けて花粉を何度も浴びせかけている様から、麻痺や毒もしくは幻覚の様な作用があると思われる。


幹の中程のツタが左右に別れその中にある口が見える。

らせん状に牙の生えた大きな口だ。


「ホー。全く、あの脳筋は相変わらずだホー。」

「倒すのはあの植物で間違いないか?」

「その通りだホー。奴の花粉には幻覚を見せる効果があるから気を付けるホー。」

「了解した。」


フクすけの口ぶりからこの様な状況になるのは初めてではない様だ。

この後無事この植物を討伐する事に成功した。


こうして一緒に過ごす新たな仲間が増えたのだった。

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