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只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第三第六第七部隊隊長訓練編 7

どうやら2人も目を覚ましたらしい。



背後に視線を向けると2人が緩慢な動きで起き上がり、手を握って開いてを繰り返したり跳ねてみたりと、各々の動きで体の調子を確かめている様子。

こちらの視線に気付くと不思議そうな表情でこちらを見ている。


「目が覚めたか。調子はどうだ?」

「うーん!意識を失う前は指1つ動かせなかったが今は普通に動けるから不思議な気分だ!」

「…同意。…原因は食べさせられたアレですか?」

「ああ、そうだと思う。」


2人にも不死の実と呼ばれた果実を見せようと思ったが蜜園に止められたため断念し、説明だけに留める。

俺と蜜園(みつぞの)のやり取りで碌でもないものとでも思ったのか、2人から説明を求める声は無かった。


知らぬが仏とでも思ったのだろう、聞きたそうにしている騎士道(きしどう)月隠(つきごもり)が静止している。

先程の蜜園の反応を見るに話さないのが正解のようだ。


「取り敢えず今日の訓練はここまでにしよう。各員明日の業務に支障をきたさないようしっかり休んでくれ。」

「…はっ、御意に。」

「ハッハッハ!そうだな!そうしよう!今日は流石の俺でも死ぬほど疲れた!」

「そうね、さっき言ってた資料なるはやで頼むわよ。」

「ああ、任せてくれ。」


3人が入り口の扉をくぐり外に出て行く。

俺は先程の訓練を思い出しながら彼らの動きや魔力操作の改善点を脳内に描く。


嬉しい事に優秀な秘書と部下達が急ぎの仕事は片付けてくれているため、こちらの資料作りを優先して問題ないだろう。

お礼に何か甘いものでも買って帰ろうか…。


何はともあれ無事に1回目の訓練が終わった。

資料作りやその他のやるべき事はもう少しあるが今日の勤務はほぼ終わったと思っていいだろう。


この時間に空いている店はあったか考えながら訓練室を出る。

暗くなり始めた空の下、俺は自分の執務室に戻るのだった。

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