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只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第三第六第七部隊隊長訓練編 4 ※第三者視点

只野の魔力が静かに漂い出した。



更に時間が経っても未だに訓練施設内からは激しい戦闘の音が聞こえる。


「ご苦労様です。交代に来ました。凄い音ですね、始めてどれくらい経っているのですか?」


警備の交代の時間になったようで、先に警備に就いていた者よりも若く見える男性が敬礼をしながら尋ねる。

今まで警備していた者は憔悴した様子でその問いに答える。


「…だ。」

「?何と言いました?」

「朝からぶっ通しだ。」

「はい?」


言われたことを理解できなかったのか、若い隊員は素っ頓狂な声を出す。


「ふつうそんな反応になるよな。戦闘の音が鳴り止まない。複数の隊長が集まって訓練するなんてここ数年ではなかったからめっきり忘れていた…。安全なのは分かっちゃいるが生きた心地がしねぇぜ。」

「じゃあ、隊長達は僕のが交代に来る6時間ずっと戦い続けてるってことですか?休憩もせず?こんなに激しく?」


驚いた声をだす若い隊員は、信じられないといった表情で訓練施設の扉を見やる。

先に警備していた隊員は疲れた表情で扉を一瞥すると腕に付けた警備と書かれた腕章を外し、若い隊員に差し出す。


「ああ。なんか立ってるだけなのにこっちが疲れちまったよ。早く代わりたいからさっさと引き継ぎ終わらせるぞ。」

「あ、はい。了解です。」

「取り敢えず扉の前には立つな、人も近づかせるな。正面の壁に円形の亀裂が見えるだろ?定期的に騎士道(きしどう)隊長が凄い勢いで飛び出してくる。巻き込まれたらおそらく只では済まん。」

「え、なんすかそれこわ。ここの扉ってかなり頑丈でしたよね?」

「そこらの防火扉よりよっぽどな。本当、意味わかんないよな。」


疲れたような呆れたような、どこか遠くを眺める様な表情で警備をしていた隊員は言葉をこぼし引き継ぎ作業を進めていく。

若い隊員はどこかあこがれる様な熱い視線を扉の方に向けている。


「いつか隊長達の様に強くなれるんでしょうか。」

「さぁな。少なくともあの頃から只野(ただの)隊長と潜ってたメンバーはとんでもない強さだよ。」


それだけ言うと先に警備していた隊員は扉を離れ駐屯地の待機室の方に向かって行き、若い隊員は扉の隣で待機する。

扉の向こうからは未だに戦闘音が鳴り続けていた。

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