只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第五部隊隊長 白金 瑠璃華編 5
安心したのか嬉しそうな様子の彼女と共にもうひと時ティータイムを楽しむことにした。
他のサンドイッチも絶品で、コロネーションチキンを使ったスパイシーなものと、ハムときゅうりを使った王道のものだ。
中段にはスコーンやフィナンシェ等の焼き菓子が乗り、バターの芳醇で香ばしい香りとくどくない上品な甘さでこちらも素材からこだわって作られたことが良く分かる。
上段には色とりどりの果物を使ったムースやケーキ、タルト等が並び視覚的にも楽しませてくれる。
味も勿論絶品で、様々な果物のフレッシュな香りと甘すぎないちょうどいい甘さで、まるで俺の嗜好の為に作られたのではないかと錯覚するほど好みに嵌まっている。
立派なケーキスタンドにカップやソーサー、そしてこの素晴らしい料理の数々。
復興してきたとはいえこれ程のものを用意するのにどれだけのコストを払ったのか…。
しかしせっかくの歓迎だ、そこを考えるのは無粋と言ったところだろう。
この辺礼は仕事で返す事としよう。
「お気に召された様で、本当に良かったですわ。」
「お気に召すなんて言葉じゃ表現できないくらいだよ。今まで食べた中でも最高に美味かった。わざわざ用意してくれてありがとう。この礼は必ずするよ。」
「そこまで仰られると照れてしまいますわ。」
雑談しながらで結構な量があったのに気付けば平らげてしまった。
それほどまでに美味しく、感動の連続だった。
淹れられた紅茶を一口飲み一息つく。
最近仕事やその他で忙殺されてたので何とも贅沢な時間だと感じる。
「さて、歓迎も十分受けた事だし今回の詳細を聞こうかな。」
「そうですわね、こちらも満足しましたので本題に移させてもらいますわ。響、只野さんに例の資料を。」
「はい瑠璃華様。只野隊長、こちら資料でございます。」
「ありがとう。」
控えていた彼女から資料を受け取り詳細を確認する。
内容は対抗戦の前後で対策本部に関する動画の視聴率が伸びている傾向にある事を、理論的に分かりやすく纏めたものになっている。
事前に送ってくれていた内容とこの資料から、何となくだが何をさせたいのか察する事が出来る。
要はこの機会に更なるイメージアップと認知の拡大を目指したいといったところだろう。
「今回のお願いは、対策本部のイメージ向上並びにきちんとした認知の拡大を目指す動画並びにライブを行いますわ!名付けて、対策本部イメージアップ大作戦ですわ!」
「素晴らしい案です瑠璃華様。」
「フフーンですわ!」
白金のドヤ顔と共に拍手と称賛の声が上がる。
そのままじゃないかと思ったが余計な事は言わず俺も拍手しておくことにしよう。




