只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第五部隊隊長 白金 瑠璃華編
只野 優人の独白 Ⅶ
湖の畔に住み着いてどれ位経っただろうか、俺は時折例の馬?が来ては木の実を取りに行ったり狩りをしたり魔力の操作の訓練をしてみたりと中々に忙しい日々を過ごしていた。
そんなある日いつも通り彼?彼女?がやって来たのだが何時もと様子が違う。
傍らには額に桃色の宝石の光る小型犬ほどの大きさのウサギを引き連れ、その背中にはモノクルを掛けたフクロウがホーホー鳴きながら揺られている。
彼?彼女?もどことなくご機嫌そうな様子から知っている仲なんだろう、こちらに気付いた様子で少し足早に寄ってくる。
「こんにちは、今日は友達を連れて来たのか?」
顔を寄せて来たのでサラサラの鬣をなでながら話しかける。
撫でられた馬は気持ちよさそうに大人しくなでさせてくれる。
「ホー。おぬしが話に出ていた人間だホー?話通り膨大な魔力を完璧に制御してるホー。これは驚きだホー!」
「…は?」
この時俺は驚きのあまり言葉が出なかった。
何せ久しぶりに聞いた言葉、それを目の前のフクロウが発していたからだ。
「なっ!?フクロウが喋って!????」
「ホホー、驚くのも無理はないホー。おぬしは吾輩たちがコンタクトに成功した初めての人間ホー。自分以外の言葉を聞くのも久々ホー?我々に固有名詞や名前なんてものは無いからまあ好きに呼んでくれればいいホー。」
翼を顎?嘴?に添えうんうんと頷く姿は人間味があるが、流暢に喋る姿には全く現実味が無い。
俺は唖然としながら二匹を見る。
「驚いてる所申し訳ないがホー。後4体程合流予定だから慣れて欲しいホー。言葉を話せない同胞もいるホが、意思疎通は吾輩がやるから安心して欲しいホー。」
驚いている俺を置いてけぼりにして尚もフクロウは続ける。
「これからおぬしには吾輩たちの後継者として修業をしてもらう事になるホー。最初は吾輩が魔力の使い方と知識を授けるホー。と言ってもおぬしの魔力の扱い方は既に高いレベルだホー。吾輩との修業は主に知識を修める事が中心になると思うホー。」
「…後継者?」
「まあそこまで重たいものでは無いホー。知識に技術、そして強さを我々が伝授するという話ホー。おぬしにも悪い話ではないホー。」
すごい、思わず零しただけの俺の言葉に被せる勢いで話し始めた。
しかし随分とおしゃべりなふくろうだな…。
ある日馬の連れて来たフクロウとウサギ。
この日から不思議な共同生活が始まった。
フクロウの言っていたことは本当で、今まで知らなかった魔力の使い方や知識を与えてくれた。
少々騒がしいが俺の生活に勉強と修業というメニューが追加された日だった。
お久しぶりです。
作者のこねこ〇です。
資格試験でお休みをいただいてる間にたくさんのコメント等ありがとうございます。
申し訳ありませんが、休んでいた期間の返信は出来なさそうなのでこちらでお礼の程とさせていただけますと幸いです。
本日よりまた更新を再開します。
読者の皆様に面白いと思っていただけるよう頑張りますので、またよろしくお願い申し上げます。




