ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 45
まあ後遺症が残る者が出ないくらいには暴れさせてもらおうと思う。
二回戦第一試合。
相手一回戦目で11位の成績を収めたギルド連盟のチームで、前衛3人後衛2人のバランスの取れたチームだ。
パッと見た魔力と気配、見た目で探った所では前衛のタンク役は大楯を装備した大柄な男性でクラスは重騎士、ナイフを指先で遊ばせている小柄な女性は攪乱役と思われるシーフ、そしてバランサー役だろうか小楯と片手のショートソードを装備した中肉中背の男性は魔法剣士だ。
後衛は補助・回復系と思われる大きな錫杖を両手で抱えた女性はプリースト、体操のバトンサイズのワンドを右手に握り会場をキョロキョロと見渡している男性は言霊使いだろうが、魔力を見る限り妨害用のものも少し使えそうだ。
「ざっと診た感じこんなところだな。」
「只野さんは相変わらずめちゃくちゃですわね。あまり公衆の場でやってはいけませんわよ。」
「コイツがこうなのは今に始まった事じゃないでしょ。意味わからない変態なのよ。」
「いや、見た目だけで何となく察せる部分もあるだろ…。」
「見た目だけで魔法戦士は普通分からないのよ。」
「せやろか…。」
「ハッハッハ!第一部隊隊長殿酷い言われようだな!だが概ね同意見だ!」
「よーし3人共動くな久しぶりにどれ程強くなったか診てやる。」
「「「ヒャー!」」」
おかしいな相手の情報収集をしただけなのに味方から鋭い言葉のナイフを突き刺されている。
白金は呆れ眼で子供に言い聞かせる様な発言をし、蜜園からはシンプルな罵倒が飛来し、騎士道は俺のフォローするのかと思ったらこの有様だ。
流石に傷付いたので仕返しとばかりに提案すれば悲鳴をあげ蜘蛛の子を散らす様に逃げて行ってしまった。
何だか子供の相手をしている様だ…。
「はぁ、全く…。」
「お兄ちゃんも大変だね!けどあんな風に甘えても許してくれるっていう安心感でしてる事だと思うから許してあげてね。」
「蜂谷がそれを言うか。」
「自分で甘えてる自覚あるからね!」
「なお質悪いなそれは。そろそろ第一試合始まるぞ。」
「そうじゃん!行ってきます!」
そんなやり取りをした後本日の第一試合。
対策本部代表 蜂谷 対 一回戦11位のチームの試合が始まろうとしていた。




