ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 44
驚いた表情で固まっている参加者を見渡し俺は新しいルールを説明することにした。
説明した内容は次の通りだ。
本来残ったグループでトーナメント戦を実施し順位を決める予定だったが、今回の件でそれが出来なくなってしまったため参加している部隊員と試合をしてもらう事。
勝ったチームは今回の第一試合で集められた魔力結晶や素材を山分けする事の許可も出ている事。
順位が付かない事には少々不満だったみたいだが賞金が出るなら話は違うらしい。
その話を聞くと嬉しそうな歓声を上げている者がちらほらと見かけられた。
現金な話かもしれないが低位とはいえ相当な量があるためその様な反応があるのもしょうがないだろう。
そして次の日。
予選と同じ東京ドームに参加者は集まっていた。
現場は喧騒に包まれ観客席にも沢山の人々が集まっている。
中にはテレビや雑誌のメディア関係者だろうか、厳ついカメラを構えた人達の姿も見える。
解説者席には有名らしい解説者と専門家、女性芸能人といった面子が座って実況解説をしてくれるらしい。
そのためか参加者もどこかソワソワとした雰囲気をしていてやる気は満々のようだ。
そして今は待機の時間なのだがこちらのメンバーもやる気に満ち満ちている。
むしろやる気があり過ぎてるくらいで少し心配でもある。
先日の件が相当頭に来ているらしい。
その中でも特に直接対峙した水藻、月隠、蜂谷は明らかに殺気立ている様子だ。
「くれぐれもやりすぎてくれるなよ…。」
ふとこぼした俺の懸念は一回戦目から当たることになるのだが今はまだ知る由も無い。
それに俺も散々好きなように言われて色々と思う事もある。
何だか思い出したら俺も憤りを感じて来た…。
まあ後遺症が残る者が出ないくらいには暴れさせてもらおうと思う。




