ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 43
責任者に選ばれたばかりに可哀そうに…。
許可ももらったので俺は竜胆と共に受付の所まで戻りこの事を職員に伝える。
勿論証拠に責任者からの許可書も書いてもらった。
責任者に連絡してもらえばとも思ったのだが彼の疲弊具合が心配になるレベルだったので俺が直接伝える形にした。
最後の方は少しだけ笑顔を取り戻せていたので良かったと思おう。
伝え終わるとその職員は急いで館内放送を始め、参加チームの代表は納品所に集まる様にという連絡を掛ける。
その放送を受けてクレームを入れていた者達は一度止まり、他の者達も何だ何だと少しざわついている様子。
少し経ちいなかった参加チームの代表達が集まって来る。
全員集まったと判断したのか男性の職員が話し始めた。
「この度は大変時間を取らせてしまい申し訳ありません。今回この様なトラブルが起きまだ既定の時間になっていないのにも関わらず結果を発表し、事態を混乱させた事誠に申し訳ありません。納得のいかない方々もいらっしゃることかと思われます。なので今回は特別に全チーム通過という事にします。」
その言葉を聞くと上位10チームに入れなかった者達だろうか、少しの歓声が上がる。
少し難しい顔をしているのは10チーム内に入れた者達だろうか?
「しかし、本来この後はトーナメント式に模擬戦闘で順位を決める予定でしたがチームが多くなりすぎたため時間が掛かり過ぎてしまいますのでルールの改定をしたいと思います。」
この言葉に少しのざわつきが入り視線が話している職員に集中する。
不安と期待半々といった表情で職員を見ている彼等には悪いがあまりいい条件では無いかもしれない。
「ここからは対策本部第一部隊隊長の只野 優人さんに説明をお願いします。」
俺に声が掛かり受付の隣に移動する。
察知能力の低い者には突然職員の隣に現れた様に見えただろう。
驚いた表情で固まっている参加者を見渡し俺は新しいルールを説明することにした。




