ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 42
それならばここはひとつ力業で解決する事にしよう。
先ずは連絡だな。
場合によっては迷惑をかけるかもしれないので事前に伝えておかなければなるまい。
俺は対策本部のメンバーと共に場所を移すと、警備の為に今回は不参加となる義重殿に連絡を入れた後皆に計画を話す。
反応は賛否両論あったが概ね良しといった感じである。
少し話し合い案を詰めスマートフォンを取り出し電話を掛ける。
相手はこのイベントでギルド側の最高責任者である美白だ。
何度も電話をする事を謝罪しつつ状況を説明しこちらの考えを提案する。
彼女は少し悩んだ様子だったが、この後に問題が発生したらこちらが責任を持つと言ったら渋々ながらも許可を出してくれた。
少々時間をかけてしまったが概ね計画通りに進み一安心だ。
俺は対策本部のメンバーに待機して休んでいるようにと伝え、竜胆だけ証人の為に共に来るようにお願いする。
竜胆を連れ立って向かうのはごたごたの真っただ中である納品所兼運営の待機場所になっている施設だ。
中に入ると相変わらず先程の若者が騒いでいて、それに便乗してクレームを入れる者や遠巻きに眺め事態の推移を観測している者、端の方で何人かで集まり話し合っている者等様々だ。
というかまだ騒いでたんだな。
俺と竜胆は職員用の入り口から更に中に入り責任者の居る場所に向かう。
部屋に着くとまた数人で話し合いをしていた。
今回は連絡が先に来たらしく責任者の男性は電話越しに頭を下げながら何やら話していた。
彼が電話を終えたタイミングを見計らって今回の計画を話し流れを決める。
責任者の男性は疲れ切った表情でこちらの話を聞き力なくうなずいている。
もう解決すれば何でもいいと言った感じだ。
責任者に選ばれたばかりに可哀そうに…。




