ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 41
ところでこの小僧今何と言った?
興奮状態にあるために対策本部の者の存在に気付いていないのかそれとも気付いていてあえての挑発なのか。
どちらかは分からないがこういった事実を知ろうとせず自分の物差しのみで相手を計り勘違いする輩は一定数存在する事は分かっている。
見た所若いみたいだし社会経験も少なく位の上昇やレベルアップの全能感に飲まれ勘違いしやすいのも分からない事も無い。
しかしダンジョンtuberというのは他の潜行者の実力や実績何かを気にしたりしないのだろうか?
それとも彼が特別なのだろうか?
それは定かではないが取り敢えず仲間が馬鹿にされた事だけは分かった。
「隊長落ち着いてください。お気持ちはお察ししますが少し怖い気配が漏れてます。」
「!」
竜胆の言葉を聞きハッとする。
いけないな、この年にもなってこんな簡単に感情が表に出るなんて。
少し前に水藻と月隠に言ったばかりだと言うのにこうも諫められるようでは説得力が無いな。
心の中で自分に呆れる溜息を吐き竜胆に振り返る。
「すまない少し感情的になった。俺もまだまだだな。諫めてくれてありがとう。」
「いえ、しょうがないかと。それに隊長の気配を感じなかったら後ろの方々が飛び込んでいたと思いますので。」
そう言われて更に後ろに視線を移す。
そこには蜜園と土倉に取り押さえられもがく水藻と光の無い目で騒ぐ若者をじっと見ている月隠、ニコニコの笑顔ではあるがこめかみに青筋の浮かんだ騎士道こちらに背を向け電話でどこかに物騒な連絡を入れている白金。
参加してくれた隊長達がそれぞれの反応をしている。
これは思っている程我慢は出来なさそうだ。
事の原因は彼等が対策本部の実力を信用していないという事。
それならばここはひとつ力業で解決する事にしよう。




