ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 34
適切な対応だったと思う事にする。
それよりも今は怒り狂っている2人の方が問題だ。
月隠は未だに呪詛を吐き続けているし、水藻は興奮状態で部隊員達が必死に押さえつけている(いつの間にか人数が増えてる)。
「殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺…」
「離しなさいぃ!貴方達も許せないでしょぉ!代わりにわたしがやってやると言ってるんですよぉ!」
「落ち着いてください!気持ちは分かりますが普通に迷惑になります!そんなんだから土倉隊長に馬鹿にされるん「ふん!」グぇ」
後ろから組み付いていた男性隊員が必死に説得していたが余計な一言のせいでバックヘッドバットを喰らい伸びてしまった。
カエルが潰れたような声を出していたが大丈夫だろうか…。
「先輩がやられたぞ!応援を呼べ!」
「対策本部の他の代表の方々を呼んで来ます!」
「2人ではそんなに持たんぞ!なるべく早く頼む!」
1人ダウンした事で形勢が一気に傾き堪らず1人が応援を呼びに離れて行った。
そうなると最早止める事は殆んど出来ず、水藻は組み付かれながらもズルズルと2人を引きずりながら先程の潜行者達が向かった方に動き始めた。
その様子を見て蜂谷はケラケラと笑って見ている。
なんだこの状況は。
溜息を吐きたくなるのを堪え状況を収束させるために動くことにする。
何故かこちらの方が気が重いのは何故だろうか…。
「2人共落ち着け。気持ちは嬉しいが時と場合を考えろ。水藻、ダンジョン内ならいざ知らず地上で人目もある所で暴れるものじゃない。月隠は隠密が切れかけてるぞ。」
「お兄ちゃんも大概だよね。」
「…。」
蜂谷が何やら呆れた視線を向けてくるが取り敢えず無視だ。
頼むからこの状況で土倉を呼んでくるんじゃないぞ…。




