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元教え子 東 紅 7

指さした先には洞窟然としたダンジョンの壁に、不自然な木製のドアが設置されていた。



休憩がてら扉の前で待機していた俺たちの耳に、人の足音が届く。

気配を見る所、途中で合流したらしく、二小隊20人でこちらに向かっている様子。


到着した彼ら、彼女らと情報交換し、三人を任せ発光布を回収し扉を潜る事にした。

どうやら第二部隊もこの扉は把握していなかったらしく、出来たのはここ数日ではないかとの事。

益々キナ臭い…。


「東、この先から一切気配を感じない。別空間になっているか、かなり強い気配遮断効果をもつモンスターの能力か…。どちらにせよ厄介な事には変わりないし、罠の可能性もある。安全も保障出来ない。引き返すなら今だぞ。」

「御冗談を先生、先生が行かれるなら意地でも同行致しますよ。それに、先生でさえ気配を感じないのであれば目が多いに越したことはないはずです。」

「…そうだな。では、開けるぞ。」


心配して聞いてみたが、どうやら要らぬお節介だったようだ。

ドアノブを慎重に回して押し開く。

引き戸じゃなくて良かったと思いながら中を確認する。


中は薄暗く、洞窟とは打って変わって洋館の中ホールの様な様相になっていた。


「相変わらずこのダンジョンはとんでもないな。ここまで脈絡も無く雰囲気が変わるのはなかなか無いぞ。」

「やはり新しいモンスターが関係しているのでしょうか?」

「推測になるが、ほぼ間違いないだろうな。」

「となると、このモンスターは自らのテリトリーを作って狩りをするタイプってことですね。」

「そうだ。しかも厄介なことに外の気配は感じられなくなった。」

「成る程、先程仰っていた別空間を作り出すタイプでしたか。」

「あぁ、だが中に入った途端複数の人と強いモンスターの気配を感じた。強い気配遮断の能力を持っている奴ではないらしい。」


さっきからもこれ見よがしにホールの中央に宝箱が置かれている。

宝箱から気配を感じないあたり、おそらくだが本体は物陰に潜み、宝箱に気を引かれた人間に襲いかかり生気や魔力を喰らうのだろう。

それは少しずつではあるが回復していくので、このモンスターは気絶した人を捕らえ、保存食にしているといった所か、強い上に賢い、厄介なモンスターだ。


「右奥の階段の裏、分かるか?」

「はい、分かり難いですが確かにいますね。私が対処します。」

「感じた気配はこれではないが油断はするなよ。」


しかし、その不意打ちは気配察知が高レベルで出来る者には通じない。

現に居場所がバレてると察したのか。

そのモンスターは物陰から飛び出して襲い掛かってきた。

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