ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 12
俺達は解体を終えると荷物を纏め、一度地上に戻るべく来た道を引き返した。
無事何事も無く地上に帰還した俺達を出迎えたのは別行動をしていた水藻と月隠の2人だった。
「…。」
「おやおや貴方方も一度納品に戻って来たのですねぇ。こちらも荷物が一杯になったので戻って来た所ですねぇ。例のモンスターとは出会えましたかぁ?」
「2人共ご苦労さん。残念ながらまだだ。もしかしたら他の潜行者に狩られ尽くしているのかもしれないな。他に変わった事や来たチームはいたか?」
何か情報が無いか2人に尋ねる。
「休憩も兼ねて少々ここに居ますが我々以外に見ていませんねぇ。納品所で聞いた限りではどのチームもまだ戻って来てないみたいですねぇ。」
「この身の気配察知にも何の反応も感じられてません…。」
「そうか2人共ありがとう。俺達も少し休憩にしよう。2人はこの後すぐ潜るのか?」
「ええ、そのつもりですねぇ。ついでに他の参加者の動向を探って来ますよぉ。」
「ありがとう。よろしく頼む。」
竜胆と蜂谷に休憩の指示を出し2人を見送った後、持ち帰った物を納品所に持って行く。
水藻と月隠が言ったように他の参加者の姿も気配も無い。
話の通りなら納品所の片隅に山盛りに盛られた魔力結晶が彼らが持ってきた物だろう。
パッと見た感じだと位Ⅰの中レベルから位Ⅱの高レベルといった所だろうか、それがかなりの量積み上げられている。
「対策本部のAチームです。これもお願いします。」
「は、はい!お預かりします!」
緊張からか強張った声と表情で俺の持ってきた魔力結晶と素材を受け取り隅にあった2人が獲って来た物と一緒に並べてくれた。
肉は量が多いので裏にある冷蔵室に一時的に預けられるそうだ。
俺は対応をしてくれた職員に礼を告げると外に出て2人が待機しているであろう場所に向かった。




