ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 9
この後起きて部屋に戻るともうひと悶着あったのだが、彼女の名誉の為に俺は忘れる事にする。
予選は結局全部で2日掛かりだった。
予想して多めに期間を持っていたからいいものの、今後開催する場合は予選を別にして組むか、何かしらの出場基準を設けた方が良いだろうと運営に携わった者は疲労困憊の様子で言っていた。
急遽発足されたチームだったので予想外の参加人数に心配していたが皆良く頑張ってくれている。
今度俺のポケットマネーから臨時ボーナスを出すか、例の袋から何かプレゼントでもするとしよう。
頑張ってくれている彼等に一隊長として何か報いたいものだ。
取り敢えず今度何か差し入れでも持って行こう。
閑話休題。
遂に対抗戦の本選が始まったのだが最早代表戦とは?な状況になっているんだが。
なんせ対策本部の参加チームは2チームで代表と言えるが、ギルド連盟と無所属組織が多すぎる。
ギルド連盟の参加人数は15チーム(参加全チーム予選通過)、無所属は10チーム(思ったよりも多かった)とかなりのチーム数に差が出来ている。
対策本部は通常業務があるのため参加できる人員が少ないのでチームが少ないのは分かるのだが、それにしたって他の組織のチームは多い。
これが一応であれ公務員と民間企業の違いか…。
「やはりある程度自由の方がいいよなぁ…。」
「急にどうしたのお兄ちゃん?」
「また何時もの考え込む癖ですよ。それよりちゃんと見張っててくださいね。」
「理解が深い部下がいてくれて嬉しい限りだよ…。」
現在昼を少し過ぎた時間旧東京駅ダンジョン内で目の前の女性2人がモンスターをバッサバッサと薙ぎ倒しながら進んでいる。
本選第一試合、モンスター討伐勝負がこのダンジョンで開催されていた。




