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ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 5

静かになった会場に開会式開始合図の号砲が響いた。



ダンジョン対策本部長 東 京生(あずま きょうせい)、ギルド連盟取締り役 沼須喜 美白(ぬますのき みしろ)常日頃 勝(つねひごろ まさる)という無所属の潜行者の代表による開会の挨拶が終了した後、多すぎる参加者を一度外に出し予選が開始された。

予選の内容は召喚系の言霊を使える潜行者に依頼し、百合の開発した媒体を使って計測用のゴーレムを召喚してもらって、それと戦って点数を決める方法を取らせてもらっている。


実はこのゴーレムは今回初公開の新技術である。

今まで召喚系の言霊はダンジョンで見つかる結晶装備か、指輪等の装飾品アイテムに付随した効果、もしくは時間制限ありで使い捨ての召喚結晶しか無く、今回のこれは初めて人工的に作られた召喚結晶であり、彼女がまたダンジョン科学を次の段階に押し上げた偉業を成した成果物だ。


友人として誇らしく思うと同時に隣から刺す様な視線が突き刺さってきている。

現実逃避はそろそろ止めておこう…。


「先程の事は本当にすまないと思っている。」

「相棒本当かね?あれだけ派手に壊しておいて?」

「それは百合が思いっきりやっていいと言ったから…。」

「確かに言ったが木端微塵にされると誰が予想出来るのだよ。」


そう俺は予選で彼女の用意したゴーレムを粉々にしてしまったのだ。

俺も多少新技術で年甲斐も無くワクワクしてしまった部分もあるがあんなになるとは思わないだろう?


「だからこうして修理と言うか再生成を手伝っているじゃないか。な?」


彼女の頭をぐりぐりと少し乱暴に撫でる。

女性の頭に触れるのはどうかと思うが彼女は割とこれがお気に入りらしい様で、今は割と機嫌が良さそうだ。


「ふむぅ。一応岩ゴーレムよりは堅くなるよう設計したのだがね?念の為予備を持って来ていて良かったのだよ。潜行者の相手なら想定の値が出ているからやはり相棒が規格外なのだよ。今回の事は今後の改善案として記録しておくのだよ。」

「流石博士、良い上昇志向ですな。」

「そうだろうそうだろう。」


俺は言霊や金属音、怒号が響く中、百合のご機嫌を取りながら手元の触媒に魔力を込める。

何か問題が起こらないか監視していたが、予選は順調に進んでいった。

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