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元教え子 東 紅 5

そう思いながら俺は、全身からやる気を滾らせ、満面の笑顔の彼女の後に続くのだった。



結晶装備の適合者、今でこそ祝福と言われているが、ダンジョン発生初期には忌み子、呪われた子なんて呼ばれていた時期もあった。

その特徴は体毛と、目の色に現れる。

これらの色はその人の適合した属性の結晶の色になっており、自然発生率は低く、今のところは1000人に1人というのが通説になっている。

ダンジョンの発生と共に変化が現れた彼ら、彼女らは元々は普通の子供達であり、急な変化に本人達も驚いたことだろう。


悲しいことに、初期の混乱はそんな彼らを標的にした。

侮蔑、差別、果てにはダンジョンの発生で出た被害を、年端もいかない少年少女のせいだと言い出す輩も出てきた。

外国では当時、魔女狩りの様なことも起きたらしい。

紅もそんな心無い声に晒された一人である。


しかし、とある天才がダンジョンにおける結晶装備とその適合者の有用性を世間に公表し、それが本当だと分かると、世間は掌返しをする様にその見方を変えた。

ダンジョンは危険なだけではない、資源の宝庫だと、それを効率よく採取するには適合者は適任であると。

今では適合者は、ダンジョンの探索には欠かせない人材となっている。


兎にも角にも、現在では適合者は広く周知され、好意的に受け入れられている。

実にいいことだ。


そんな昔のことを懐かしんでいると、前方で長剣を片手で自在に扱い、モンスターをなぎ倒していた紅が話しかけてきた。


「これくらいなら結晶装備を展開しなくても大丈夫そうですね。」


その通りだろう。

今のところ現れているのは、家猫ほどの大きさのネズミのモンスター、ビッグラット。

それより一回り大きいカエル、ビッグフロッグ等既存の生き物を大きくした様なモンスター、ダンジョン内でも雑魚と呼ばれる部類としかエンカウントしていない。


「そうだな、だが油断はするなよ。ここは旧新宿駅ダンジョンだからな。」

「もちろんです。いざという時は直ぐに展開します。」

「そうしてくれ。しかし言っていた通り、実際に動きを見るとよく分かる、一段と強くなっている。普段の研鑽の賜物だな。」

「そうおっしゃって頂いて光栄ですが、不謹慎ながらもっと強いモンスターと戦っているところを見て頂きたいです。」

「…この先嫌でもあるさ。」

「それもそうですね!」


少し浮足立っている様子だが、一般的な部隊と比べるとかなり速いペースで進んでいるし、周辺への注意も

怠りなく出来ている様子。

これなら大丈夫そうだ。


俺達はその後も順調に進み、行方不明者と思われる気配のする地点付近に到着したのだった。

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