ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 3
そんな部下達のやり取りを聞きながら俺は苦笑いを漏らし、流れていく動画や文章を見せられた。
蜂谷に見せてもらったそれの人々の感想は良く言えば自信満々で挑戦的、悪く言えば無知で無謀と言った所だろうか?
前者の捉え方ならその様子に彼等彼女達は実力のある潜行者で今回の対抗戦でその実力を見せてくれるだろうと期待し応援してるや勝てるなど肯定的なコメントを書き、後者だと井の中のなんとやらと揶揄したり中途半端に力があるが為に自らの実力を勘違いしている等否定的なコメントが書かれている。
蜂谷曰く最近この手の動画や掲示板での強さ談義が盛り上がっている様で、今回の対抗戦は世間からかなりの注目を浴びている様だ。
広報を担当してもらっている白金隊長からも最近ダンジョン対策本部の動画やそれに関するSNSが頻繁に閲覧されているという報告が来ている。
「これはまた凄い盛り上がりだな。」
「凄いよね!ここまでの盛り上がりはダンジョン発生後は初かも!」
「確かにイベントでは初かもしれないな。」
「民間の人達もそんなに先行者の強さに興味があるものなんですね。ここまでの盛り上がりは少々意外でした。」
竜胆の言う通りここまでの盛り上がりになるとは当初俺も思ってなかった。
しかし実際には企業がスポンサーとして参加させて欲しいと言って来たり、テレビや雑誌で大々的に宣伝されたり、有名な動画配信者達がライブ討論会をしたりと各方面で今まで以上に取り上げられるようになったのだ。
ダンジョン発生最初期の時、ダンジョンで探索の成功した時でもこんなには盛り上がっていなかった。
やはり人間は余裕が出てくると娯楽に飢えるものなのだろう。
それに昔と違い潜行者の人気が上がっているのも要因だろうか?
それこそ最初期は差別された者達の仕事と言う感じだったが、今では昔のスポーツ選手並みに注目と人気のあるものになっている。
これも白金を筆頭に皆が潜行者のイメージ向上に尽力してくれた皆のお陰だろう。
そう思うとここまでの規模になる事はむしろ皆の働きが認められたみたいで、なんだか誇らしい気持ちになり嬉しくなって来た。
2人にバレるとどう揶揄われるかわかったものじゃない。
俺は悟られないように緩みそうになる頬に力を入れて誤魔化した。




