とあるダンtuber 常日頃 勝
対抗戦の発表があった後、とあるダンジョンで4人の男女が動画の配信をしながら潜る準備をしていた。
彼等は最近人気のダンtuberの一団である。
「イエーイ!常日頃 勝の常勝チャンネル!今日は渋谷のハチ公前ダンジョンに来ています!」
「「「イエーイ!」」」
年頃は大学生位だろうか異様に高いテンションに作った高い声、ド派手な装備でダンジョンの入り口に立った彼らはそれぞれ簡単に自己紹介を済ませ画面の向こうから寄せられたのコメント答えダンジョンに潜り始める。
道中現れるモンスターを慣れた様子で倒していく様は見ている者によっては熟練の潜行者と思われる事だろう。
「もう少しで1時間位か?じゃあそろそろ休憩とコメント返しと行きますか。」
勝がそう言うと動画のコメント欄が先程より早く流れ出し、次々と視聴者からのコメントや質問が流れていく。
その中の1つのコメントが目に入ったのか、勝はおもむろに言葉を発した。
「えー何々?今回発表された対抗戦に参加しますかって?」
「おっ、最近話題の奴な。これって言っていいやつだっけ?」
「良いんじゃない?別に止められたりしてないんでしょ?」
コメントを読んだ勝の声に反応し、潜行者仲間である土屋 台が疑問を口にし、メンバーの紅一点である松葉 棘が答えた。
もう1人のメンバーである田中 黙は黙って3人の様子を眺めてカメラを回している。
「そうだな。別に黙ってろとか言われてないしいいか。まあ言われてても関係ねぇけどな!ギャハハ!俺達は参加させてもらうぜ!対策本部だのギルド連盟だのただの雑魚の烏合の衆って事を証明してやるよ!そんで勝った暁には今のダンジョンで取れる物を高値で買い取るように言ってやるよ!俺らなら楽勝だから底辺の潜行者は楽しみにしてるんだな!」
「「ヒュウー!」」
作ったかのような下品な笑い声を上げ笑い強気な発言を垂れ流す。
その自信満々な様子はある意味意気が良く溌溂した様に見え一定数のファンを獲得しているが、その言葉使いと発言は無数のアンチも生み出している。
その後も彼らはこの調子で比較的浅く安全なゾーンでモンスターを倒し続け、休憩を挟みながら3時間程潜った後撤収したのだった。




