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東京メトロ浅草駅ダンジョン 23

彼女は少し疲れたような表情を見せると池に両足を入れたまま仰向けになり洞窟の天井を仰いだ。



美白の真っ白で絹の様な奇麗な髪が広がり地面を染め上げる。

彼女の一つ一つの所作に何とも言えない気品と色気を感じ、この雰囲気に夢中になる者達の気持ちも分からなくもない。


彼女は何をするにも絵になるのだ。

可愛いは正義という言葉がある通り美人は何をするにしても有利だなと彼女を見下ろしながら心の中でつぶやく。


「何だかこの様に貴方様を見上げていると昔を思い出しますね。何だか懐かしいです。」

「そうだな、最初の内は皆疲れ切ってダンジョンを出た瞬間転がっていたな。」

「フフフッ。あの頃は本当に大変でした。でも、とても充実した楽しい時間でした。」

「本当か?皆キツそうだったぞ。」

「当時はそうですね。ただ、今思うとあの時の記憶は私の中でとても輝く大切な思い出なのです。だから、きっといいものだったのでしょう。」

「…そうだな。きっとそうなんだろう。」

「はい。そうなんです。」


美白の奇麗な金の瞳と視線が交差し彼女が微笑む。

昔もこんな事があったなと何だか懐かしい気分になり俺も自然と口角が上がるのを感じた。


「いい雰囲気になっている所悪いのだがね、結局の所君は相棒に何をさせたいんだい?大体の予想は付くが早く話すのだよ。」

「あら、どうやら終わったようですね。今ならはっきりと貴女の姿が見えていますよ黒川博士。」

「それは良かったのだよ。無事に変換が終わったようなのだよ。」

「形状は指輪のままなんだな。」


立ち上がり体ごと振り返った百合の指にはデザインの違う指輪型のアイテムが嵌まっている。

彼女は手に着いた水を払いながら呆れた目をこちらに向けて来ていた。


「それで?結局相棒に何をさせたいのかね?」

「そうでしたね。焦らしてしまい申し訳ありません。久しぶりに貴方様とお話出来て舞い上がってしまいました。」

「そういうのいいから早く話すのだよ。」

「情緒がありませんね。…分かりましたからそんな可愛らしい顔で睨まないでくださいますか?」

「やかましいのだよ。」

「単刀直入に申しますと、貴方様とダンジョン対策本部の代表にこの対抗戦に出場していただきたいのです。」

「話の流れ的にそうだろうなとは思ってたよ。」


思っていた通りの内容に俺は肩をすくめて答えた。

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