表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/195

東京メトロ浅草駅ダンジョン 22

彼女に言われた事が余りにも信じ難い内容で、つい俺は素っ頓狂な声を上げてしまった。



各組織で対抗戦を行う相手側から貰ったという提案。

これがどれほどの事を言っているのか相手方は理解しているのだろうか?


例えるなら草野球チームがメジャーリーグのオールスターに挑む様なものだ誰が勝てると思うだろうか。

しかも潜行者の登録リストを見てギルド連盟と連携を取れば無所属の潜行者を特定できてしまう。


俺が考えられる彼らの唯一とも言える利点である参加メンバーの不透明性などあって無い様な物だが、それを加味しても勝てる自信になるナニかがあるのだろうか?

勿論登録自体していない者が居た場合分からないが、登録しないとダンジョンに潜れないのでその者の実力はお察しである。


実力は比べるまでも無く情報のアドバンテージも無い、そんな者達との勝負に負ける事などあり得ない。

これは油断でも何でもない完全な事実であり揺らぐ事もない。


ギルド連盟もきっとそうだろう。

この事を知っているのが美白だけでないとするならば、聞いたメンバーはそんな者達に舐められてると思い憤慨を覚えた者もいただろう。


特に彼女の事を強く慕う者達からしたら腹に据えかねた事間違いないだろう。

この話を直接俺にしに来たという事は、恐らくだが形式上は俺の上司である(あずま)長官に話しても相手にされないと思ったからだろう。


実際彼に言っても首を縦に振りはしないだろう。

能ある鷹は爪を隠すではないが、かの御仁は俺達の組織の実力がどの程度なのか外に漏れる事を良しとしていないからだ。


「何と言うか、大変だっただろ?」

「はい。話し合いの場での彼らの態度は酷い物でした。相手の気配や魔力の強さも分からないのに何処からその自信が来ているのか私にはわかりません。」

「そんなに酷かったのか?」

「私の制止が無ければ部下に殺されていたかもしれません。」

「殺傷沙汰は勘弁してくれな。それにしてもそんなにかぁ。」

「はい。そんなにです。」


部下の沸点が低かったのか相手側が想像以上に酷いのか、この感じだとまず間違いなく後者であろう。

彼女は少し疲れたような表情を見せると池に両足を入れたまま仰向けになり洞窟の天井を仰いだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ