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東京メトロ浅草駅ダンジョン 20

俺はこれから何をお願いされるのかと戦々恐々としながら美白の次の言葉を待った。



背を向けたまま話していた美白が池の縁に腰掛けると靴を脱ぎ水面に足を入れ、片手で水面をかき混ぜている。

全身白の神秘的な雰囲気の彼女のその様は、まるで絵画の様に絵になっている。


「あんまり焦らさないでくれないか。俺に何をしてもらいたいんだ?」

「どうぞ此方へ、アイテムの変更にしても効果の変更にも少々時間が掛かります。それをしながらでもお話ししましょう。」

『ではお隣に失礼するのだよ。相棒、魔力結晶はあるかね?』

「ん?ああ、あれ位のだったら用意してるぞ。」

「…。」


俺が返事をする前に百合が前に出て美白の隣に座り、見返りながら手を差し出してきた。

俺は個人のバッグからこの間のモンスターから出た物と同じ大きさの魔力結晶を取り出し百合に渡した。


『ありがとうなのだよ。相棒はこれが必要になると事前に知っていたのかね?』

「いや?昔大量に手に入れた物をそのまま提出し忘れただけだな。その時には所持に関する法律は出来てないからセーフだろ。」

『ふむ、それもそうなのだよ。』

「サラッととんでもない事を仰ってませんか?」

「これで消費されるなら別に問題ないだろ。」

「…普通の潜行者ならその大きさの物を提出するだけで一月は何もせず遊んでても過ごせるんですよ?」


百合は魔力結晶を受け取ると四つん這いの態勢になり両手を池に入れ指輪と結晶をくっつける様に触れさせた。

隣でその様子を見ていた俺は触れ合った物どうしが魔力を交換させ循環している様な動きをしている事に気付く。


暫らく見ていると両方が淡く発光し始めた。

その光景に百合は黙っているが目を輝かせてはしゃいでいる様子で、その様子を美白は微笑みながら眺めている。


「光が消えて結晶が無くなりましたら終了です。今回は大きいので少々時間が掛かりそうですね。それではこの間に私のお願いを聞いて頂けますか?」

「あぁ、無茶なお願いだけはしないでくれよ。」

「ええ勿論です。」


そう言って彼女は微笑むと一息を置いて話し始めた。

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