14・いざ利尻へ
前日に炊いたおこわをラップで包み、いわゆる「おにぎらず」にして登山中の食料に。
一リットルのスポーツ飲料と携帯トイレ、あとミラーレスカメラをザックに入れトレッキングポールと一緒にバイクに固定。
天気は……雲の切れ間から空は見える? 今日は見送って明日にする?
そう考えましたが決行しました。
風も強く……だから雲も吹き飛んでくれるかなと。
去年の利尻登山で道を間違えた場所は、しっかりと封鎖されてました。
登山に関しては六合目当たりまでは、晴れてくれる望みも持てましたが、七合目で天気に関しては諦めました。
今さら引き返すのも癪なので強行しましたが……七合目半の第二見晴台辺りから横殴りの強風が。正直、身の危険は感じましたが再挑戦を決断するには遅すぎました。
……明日は筋肉痛確定で登る気力なんて無いよと。
まあ、そんなワケで意地で登頂しましたが……下山後、明日にすりゃよかったなと。
雨と強風のためミラーレスカメラは出番無し……見事にデッドウェイトとなってくれました。
登山中は三人としか会いませんでしたね……若いカップルとソロ登山の初老の女性。
もっとも下山中は大勢とすれ違ったわけですが。
下山後、時間があったので利尻をバイクで一周……疲れか寝不足か意識が冗談抜きに飛びかけました。
走行中の風切り音が、何か合唱の歌声のように聞こえて……寝不足での走行は何度か経験あるんですが、かなりヤバい状況ですね。
そうか、これがサイレンの歌声かとか、後になってから思ったりして。サイレンと言うよりセイレーンって行った方が解りやすいですかね?
恐らくは寝不足の脳が風切り音に意味を見いだそうとしてるんでしょう……なんて思ったのは翌日なワケですが。
一周60キロぐらいなので無事でしたが高速道路だったら、早々にサービスエリアなりに駆け込んでました。
途中、昨日、夕飯用の食料を買った店で味付けホルモンとビールを購入。
この味付けホルモン……炭火コンロの火起こしが待ちきれずフライパンで焼いてみたけど、この味と食感、保育園時代に給食で出た肉と同じに感じたな。
何かレバーも給食によく使われてて、お陰で当時の自分は肉が嫌いだった。
火起こしが完了してから炭火で焼いたホルモンは普通に食えました。油が出て炎が盛大に上がってなかなか楽しい。
昨晩同様、二つの鍋で、おこわを炊いてみましたが……片方、猫にやられました。
二合弱あったんですが半分食われましたね……猫パンチ食らった三毛猫っす。
小柄な猫だったんですが、よくも二合弱で炊いたおこわを半分食えたもんだ……よほど腹が減ってたんだろう。
猫にエサやるなとの注意書はあったが、猫の食い残しを食べるほど貧しくないが捨てるのは嫌。残りも食ってほしかったけど、もうイランと。
泣く泣くゴミ箱に廃棄。
一眠りし、暑さでテントから出たら、件の三毛が仔猫とじゃれてましたよ。
仔猫は一匹のみ……恐らく家猫から野良猫になったと思われますんで、保護されない限り親子ともども豪雪地帯である利尻の冬は越せないと思う。
何とかしてやりたいが手に負えないわねぇ……