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虐げたかった須らくへの憎しみ①
さて、それから何千年と、虚構の後悔は繰り返された。しかし、人は、獣は、植物は、とても強かった。何度も何度も、何度、臓の腑を貫かれようとも。何を奪われても愛を忘れなかった。
しかし、その時は訪れた。
「父さんが熊に襲われて死んだ。まただ、また何かが狂っている。」
「兄さん、そんなこわい眼はやめてくれ、ココロが痛い。。。。。」
ふと、木の葉を見た。
「芋虫が葉を食べている!!!!」
「え!?ありえないよそんなことは。兄さん、見間違いだよ。」
確かに、それは病気により、まるで虫が食べた様に見えるだけだった。
しゅろろろおおろろツツ!!
瞳に赤黒い光が混じった。
「そうだよ、弱い物は食べ物なんだ!!!こんな簡単な事に気づかなかったなんて!!!」
それはヨモギの葉だった。
「食べてみよう!」
不味いはずだったのだ、いけとしいけるモノを邪魔するなど。
しかし、
「美味い!!!ほんのり苦みがあって鼻に抜ける匂いが香ばしい。」
ああ、ついに始まってしまった。。。。残酷さで残酷さを洗い流すことと、信念にすがる事しかできない世界が。