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【800文字】ショートショート 5.お気持ち表明書

作者: 松下一成

 僕の通っている学校には「お気持ち箱」という箱が置かれている。この箱を設置したのは僕の代の生徒会の提案で、どうやら全校生徒からの意見を募集すると言う物であるらしい。理由はわからないが先生はその提案に難色を示していたらしい。


「ご意見お願いしまーす!」


 毎週水曜日と金曜日には生徒会の人たちが校門の前に立ち、お気持ち箱をもって立って生徒から意見を貰おうと催促していた。しかし、結果は0枚。投入されたお気持ちは0枚に終わることになる。


 これを面白くないと思ったのか生徒会長は権限を使って緊急の全校集会を招集し、全生徒の前で演説を始めた。生徒会長は今どんな気持ちでいるのか、そして何が一番辛いのか、そして、どんなことで悩んでいるのか。


そんなことを淡々と述べていく。


「私のような人間でもこんなに悩みがあるんです!あなた達にもあるのでしょう?」


 長い時間を使った全校集会は解散された。


 次の日になるとその「お気持ち箱」には入りきらない大量のお気持ち表明書が投げ込まれていた。生徒会庶務の僕はその箱を抱えて生徒会室に持ち替えり、カギをかけた。


箱を開けてその紙に書かれている事を見つめる。


 僕はてっきり「生徒会長を辞めさせろ!」というリコールの手紙が満載になると考えていたのだが、その手紙には自分の予想しなかった内容が書かれていた。


「自己中で滑稽な生徒会長様の演説が面白いので動画サイトに乗せて小銭を稼いでもいいですか?」


僕は少し笑ってしまった。


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