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ここはどこ?私はだれ?

 

 寒っ・・・


 目が覚めたら汚い掘っ立て小屋にいた。目が覚めたら・・・ということは...残念!私が死んでここに来たのは夢ではなかったということだね。

 とにかく私は大きな事件に巻き込まれて死んだという事は思い出した。ん?事件じゃなくて事故の可能性も?まぁそれは考えてもわからないことだから一旦おいておこう。


 私と班長は間違いなく死んだ。

 二ノ宮薫はエントランスを出て行ったのを見たから、爆発時にはいなかったと思う。吉原健吾は警備の仕事が20時くらい迄なはずだから、爆発に巻き込まれたかどうかは微妙だね。

 そういえば姫野先生が来社するって言っていたけど、二ノ宮と追いかけっこしていたせいで班長に頼まれた伝言をできなかった。どこかで打ち合わせをしていたとすると、爆発に巻き込まれたのかもしれない。まぁ生まれ変わってまたあの人に逢いたいとは全然思わないけど・・・


 いやぁ~転生とかって本当にしちゃうんだね、びっくり!

 じゃあ私、もしかして魔法が使えたり特殊能力があったりしそう?わくわくしながら指を振ったり手を握ったりしてみる・・・


 ・・・なさげ・・・


 誰がいるとかいないとかよりこれから私はどうやってこの知らない世界で生きていけばいいのか考えないといけない。それが一番重要じゃない?

 残念ながら魔法が使えそうでもないし、ここは生前プレイしていた乙女ゲームの・・・というわけでもない。臭いし汚いし寒いし、性別も変わってしまったし・・・



「あ~マジ最悪なんですけど!どうせなら中世のヨーロッパとかが良かったのに!」

 大きな声で独り言を言った時、小屋の外から声が聞こえてきた。


「おい、いま誰かの声がしなかったか?」

「ここの小屋から聞こえたな」


 しまった!声にだして愚痴ったせいで誰かに聞かれてしまった。知らない誰かが助けに来てくれた!・・・なんて訳ないよね。やばい人だよね・・・乱暴に壊れかけの板戸を開けていかにも悪人ヅラの男が二人入ってきた。


「おっ、めんこい男のこじゃねぇか」

「へぇ、売れるんじゃねぇか?こいつ」


 汚らしい顔でへらへら笑いながらごろつきのような男たちが近づいてくる。売れるってなに?私男の子だよね?奴隷・・・じゃなくてえっと、奉公的なやつ?あっ、帯刀してんじゃん私!一応抜いてみるか・・・


「竹刀ならば少しは使えたのになぁ・・・」

 模造刀なら良かったけど真剣って抜くのも怖い。でも何とか抜刀してこいつらをどうにかしなきゃ!


「生意気に刀構えたぞ、こいつ!そんなへっぴり腰でどうするつもりなんだ?」

「からかってないでさっさと捕まえろよ!で、陰間茶屋に売りに行こうぜ!」



 かげま???????


 あれ?どこかで聞いた。なんだっけ?

 あ、そうだ!班長の最期の言葉だったんじゃない?!・・・捕まってみる?ワンチャン班長と再会できるかも!


「おい!おまえら人買いか?」

 スラっと音をたてながら、入ってきた若い男が剣を抜いた。


 えっ?逆光でよく見えないけどめっちゃイケメンじゃない?うわぁ~刀の構えもかっこいい!イケメンの立ち回り、尊過ぎて死ねる!最高のスチル! 100万回保存っ!強火で推せる!


 ごろつき達は素手で立ち向かうでもなくあっさり逃げて行った。イケてる剣技ご馳走さまでした!


 平成生まれの平和ボケした私が一人で萌え萌えしているうちに、危険は去ったらしい。よく考えたら狭い小屋で刀振り回してる時点で危なかったに違いない。危機管理能力 行方不明か!動画か舞台観てる観客気分でいたらこの先生きていけないだろう。


「おい大丈夫か?」

「はい!大丈夫ですっ!おにぃさんめっちゃイケメンですねっ!強火で推せます!」

「・・・・・」


 あっ、やばっつ、何言ってんの私。

「いつここに来たの?」

「あ、はい。数時間前に気づいたらここにいました!」

 あ、あれ?どういう質問?この小屋にって事?なんて答えるのが正解?


「貴方はいつここにいらっしゃったので?」

 わからない時は同じ質問を返してみるのが私流。


「三年前だね・・・」

「三年前?ってここに?」

 理解が追いつかない。

「二年前だね。って言いたかったんだけど残念だ」

「二年前?って・・・」

「ふっ。君のような勘のいいガキは嫌いだよ!」


 !!!!!


 こいつっ!この時代のやつじゃない!しかもこのフレーズがお気に入りなのって!


「・・・雪哉?」

「綾ねぇさん!おひさ!会いたかったよ!」


 私が転生して初めての推しメンは3年前に他界した

 実の弟だった。

 

転生先で弟と再開しました。


10/29 誤字脱字、わかりにくい言い回しを改変しました。

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