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桔梗の行方

 

 椙山と雪哉が健吾くんの行き先を探って部屋から消えたのはとても恐怖だったけど、3時間弱で健吾くんを救う手立てをもって二人は帰ってきた。

 

 さすが私が世の中で最も信用しているbest2だ。

 絶対にさがしてくれると信じていた。

 

 帰ってくるなり椙山は無表情で懐と袖を手で押さえて確認しながら玄関に向かって猛スピードで歩き始めた。

 無表情で持ち物を確認しながら・・・というのは切羽詰まっているときの彼の癖だ。

 なんだかもう編集の頃が懐かしいなと思いながら黙って横について歩き出す。

 話しかけると思考の邪魔をしてしまうし、半歩後ろにつくと突然降ってくる指示が聞き取れないからだ。


 私は指示通り、狭い道でも目立たず静かに走れるように黒いハイブリットのコンパクトカーを生成した。

 なるべく燃費のいい車にしないと、ガソリンは私のエネルギーだし、救出してからの方に余力をのこさないといけないし。


 なぜ吉原神社に向かっているか、令和で何があったのか車中で簡単に教えてもらった。

 椙山の予測によると健吾くんは男の子になって吉原神社に戻ってくるらしい。

 姫野先生本当に健吾くんのことが好きなんだね。

 

 神社には誰もいなかったけど、転生してくる健吾くんを無事確保できてよかった。

 女の子だった時の『ゆめちゃん』も可愛かったからちょっと残念だけど健吾くんは今度は元の男の子で戻ってきた。

 あとはみんなで神田の本部に集って健吾くんの話を聞くことになる。

 情けないことに私も椙山も姫野りかの事を殆ど知らない。

 本名さえもわからず健吾くんの情報がなければ手探り状態になるところだったのだ。



 椙山と雪哉と健吾くんを神田の借家に下ろして、紀尾井町の家に香取くんと八坂さんをピックアップにいく。

 それ程長い距離ではないが、スピード勝負だったのでエネルギーの消費が激しく、神田に全員集合したときには座椅子が欲しいと心から思った。

 ・・・ここで座椅子を生成したらもっと疲れるんでしょ?



 姫野先生本当に健吾くんのことが好きなんだね。なんて呑気な事思ってごめんなさい!

健吾くんと姫野りかの関係は私の想像のはるか上をいっていた。

 比較的呪いの制限をうけない『漫画』という手段で教えてもらったところによると、姫野りかは好みの男性を5人思い通りにするために呪いで縛り、仕事と性生活を強要していたという。


 5人も相手に凄いね。

 発情のようなことじゃなく生気とか精力とかを吸い取っていたんだろうね。コワイコワイ・・・


 でもそうかぁ、その5人は姫野の1km以内に近づくとバレちゃうらしいし、呪いのせいで瞳を見ると絶対服従状態になるし、他の人に呪いについて話せなくなってしまうのだとか・・・


 「未来には怖い女人がいるんですねぇ。狐のような?」

 八坂さんが顔に手を当てながら呟く。

 「狐?」

 何か引っかかりを覚えて八坂さんに問いかけると、八坂さんが

 「あぁ、そういえば何とかって温名井の狐の子孫なんでしたっけ?」

 と言って

 「陰陽師!」と全員につっこまれていた。


 知らなきゃわからないよねぇ・・・八坂さんのせいじゃないよ。


 「あっ、そうだ。桔梗さんはどうなったんですか?」

 健吾くんが心配そうに聞いてきたので再びみんなの顔が曇る。


 「ごめんね。鳳に連れていかれちゃったの・・・」

 私が言うと、

 「この前会った編集長の鳳さんですよね?そういえば本社ビルが爆破されたあの時に死んだ人はみんなここに来ているんですか?」

 と健吾が聞く。


 「あの時爆発に巻き込まれた人は明治(ここ)にいる可能性が高いと思うよ」

 「言うの忘れてたんですが、桔梗さんも転生者ですよ?聞いてますか?」

 「えっ知らない。初耳!あの時本社ビルで爆発にまきこまれたの?」

 「いえ、3年位前に予備校の帰りに通り魔に刺されたとか……」


 「なんだって!!!」

 雪哉と香取くんが同時に叫んだ。

 「あ!そういえば桔梗さんと話をしたときになんか違和感を覚えたんだった。何だったかな『化粧も話し言葉も普通でいいか』って聞かれたんだった!そうだ!遊女が普通の……なんて言わないよね。ふつーを知らないだろうし」


 「あ!」

 桔梗さんと人力車に乗った香取くんが大きい声をだした。

 「先輩、3年前僕らが予備校の帰りに刺された事件の後、予備校帰りの学生が通り魔に殺される事件ってありましたか?」

 「えっ?ないと思うけど。犯人捕まったし」

 「じゃああの時僕たちと同じ時間に帰っていた女子は真希ちゃんか心愛ちゃんじゃないか!」

 「え?誰?」

 一人で盛り上がりすぎている香取くんに聞いても返事がない。


 雪哉が呆れた顔で

 「香取くん(せーた)が好きだった人だよ」

 と言った。


 「違うな!好きだった人の中の2人だ!だって俺は綾先輩の事も好きだったし!」

 ・・・・・なんかめちゃくちゃついでっぽく告られた?

 いや、いつもの軽口か照れ隠しの冗談だろう・・・


 「じゃあ桔梗さんは二人の知り合いのうちのどちらかって可能性が高いね」

 「ついうっかり告りましたがスルーですか?まぁいいです。思い出しました!あの顔と話し方は心愛ちゃんです。いやぁ、嬉しいな再会できて!」


 「香取くん(せーた)絶好調のとこ悪いが、今その話はどうでもいい。それより吉原くんを救出したんだから次は桔梗さんを助けに行かなきゃ!」


 「そうです!救出できなかったとしても、なんとか接触してください!」

 健吾くんが懇願する。


 「鳳が雲隠れしちゃったからどうするかな・・・健吾くんは千里眼使えるんだっけ?」

 椙山の問いに


 「はい。でも俺は鳳と接触できません。また同じことが起こる事になりそうなので」

 「そうだよな。同じ事になれば君はまた同じ目にあうだろうし、次は姫野も対策とるだろうし」


 「椙山さん!それよりも、桔梗さんと姫野を接触させたいんです」


 「接触させたい……という事は桔梗さんの能力は……」

 椙山が期待に満ちた目で健吾を見る。


 「はい!彼女の異能は『コピー』です!」

 

仕事が忙しすぎて短くなってごめんなさい。

次は編集長とバトります(予定)

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