集められた子供たち
厚生省特殊法人のなかでも一番表だって立つ場所のほんの数万キロ地下のこども園。
昔は臓器移植法で使用された個人資産で作られた建物ないなので、他のフロアに比べて柔らかな黄色の壁紙に被験者の心拍数や脈拍体温を感知するセンサーがついている。極力不安を感じさせない湿度と温度体制は若干壊れぎみのようでフユカイニカンさせない程度の甘いタンパク質の匂いが漂っていた。
「個人クローンは違法ではありましたが、個人を認定しない部分移植法が残っていた産物です。最先端科学のモニュメントとして残してありますが」
政府が非認知摘出子を秘密裏に集めていたことは彼ら一部の厚生省の数名だった。昔で言えば特権階級の汚点。妾子。お手つけ。子供の不手際。等々表にたてないけれども裏でもて余すわけにはいかない表立てない子らだ。
今回の法律前の子らもいる。ここにいる子供にはちちははの名前は全部刷り込みの記憶でしかない。
それが今回、違法出産被害者と被害者であったであろう半身植物状態の出産までここでも行えるように工事が着工されたのだ。
「人間工場ですか」
人は遺伝子を運ぶ方舟にすぎない。とはいえ、選ぶ自由。子がほしいという自由よりもどう見ても生殖活動そのものが目的である原始動物的本能に負けた暴力的被害者の子らも多い。
彼女らに与えられる選択は一つ。産み愛すか。産み忘れるか。
初心者の技師はここでよくもどした。
人類の歴史学者、倫理学者すべてが納得して、いまがある。今一番彼女らにすべきことは最先端の医療行為と産まれ出こらへの平等なる愛。
崇高な掲げた言葉も政府が変われば方針は変わった。
DNAに色を塗る。
極力政府に対して暴力的な思想の劣悪な遺伝子を持つ子供には注意。まるで狂暴性を排除させるブリーダー気取りだ。
そして。
ものがたりははじまる。
英雄誕のその後の悲劇はだれも知らない。
けれども乱暴ものの烙印を押された英雄と 醜いだけでキャンセルベイビーとなったこの二人の数奇な運命の物語はいつかどこかで読めるでしょう。