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PM20:18

作者: 夏羽

ただの短い報告的なやつです。

初めてりんご飴を食べた。

大学の友人の突発的な「アニメイトに行きたい」という希望に付き合う過程で、近くにあった専門店に入ることになったからだ。

いつもお祭りでは母に「あんなものはダメ」と言われて結局口に入らなかった、ビビットに輝く球体。でももう私は、自力で手を伸ばす支度が整っている。

素材に拘った専門店だけあり、それは非常に美味しいものだった。恐れていたがつんという甘さはない。蜜入りりんごの甘酸っぱさを色つきの飴が引き立てていた。

私はプレーン、友人はココアパウダーがかかったものを頼んでいた。違う味を頼んでシェア、というのが昨今の若い女性のトレンドである。もちろん投稿用の写真撮影も忘れない。

プレーンは本当にベーシックなりんご飴という感じで、可愛らしい色付けの飴の欠片や歯を入れた時の細かい亀裂をよく見ることができた。

かわいい薄い膜が歯という無粋なものを入れることで割れて飲み込まれる、まるで夢の終わりだ。

空気からは甘い砂糖の香りがする。


その後はマックでポテトのLサイズをまたシェアし、互いにアニメイトで買ったものを開いてはしゃぐなどした。友人はブラインド形式の缶バッジを何個も買っていたが推しが当たらず「ほらぁ〜!」なんて言って笑う。私は何となく購入した雑誌形式のグッズを眺めながらそれを見て笑い、諦めきれなくてまたアニメイトに行く道でどうしようもなく取り留めもない話をした。

そして最推しを連続して出した彼女に拍手し、駅前で倒れる酔っぱらいを眺め、デパートの着物展のポスターを「可愛くね?」などと褒め称えるなどして別れた。

今日は、ただそれだけの日だった。

証明するものは、リュックの中のグッズと胃の中の甘ったるさと鼻先に残るファストフードの香りだけだ。ネットの投稿は、あのビビットでチープな輝きまでは伝えてくれない。

砂糖菓子の甘い膜のように、パリッと裂けて容易く飲み込まれるようなもの。

それに母の歯が立てられるまで、あと少し。

で、何?って感じですね!

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんでもない様な日常のヒトコマ。 [一言] スマホで撮影した画像を、なろうの姉妹サイトである画像投稿サイト「みてみん」にアップロードして、その画像をなろうの投稿小説や活動報告に添付する事が…
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