表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の重なった時  作者: MEGko
諦めていた時間を取り戻す
91/224

転院

 ナツは手術室から車椅子で出てきた。

 沙良の手術は長引いているようである。廊下に彬人を見つけると、会釈した。


「お前でもそんなことがあるんだな」

 彬人は皮肉が籠っている。

「私如き、この程度で済んだことに感謝です」

 ナツは無表情で答えた。


 そして蒼の方を見る。蒼は俯き無言だった。


「何かありましたらご報告いたします。大変心苦しいのですが、本日のところはお引き取り頂けたらと存じます」


 背後に控えていた者が一斉に各自隠し持っている拳銃に手を伸ばす。

 一触即発の緊張感が走った。


 彬人は制止するように手を挙げると「今日はその風穴に免じて帰りましょう」と言い、踵を返し元来た廊下を歩き出した。



 手術室のランプが消えて沙良がストレッチャーで出てくる。

 蒼は立ち上がるとフラフラとそのストレッチャーに歩み寄った。

「まだ麻酔下ですが、手術自体は特に問題もなく終わっています」

 それを聞くと安心したように沙良の頬を撫でる。

「ごめん……沙良」

 それは小さなとても小さな懺悔と後悔の叫びだった。


 そしてストレッチャーは病室へと運ばれていった。


 ❖ ❖ ❖ ❖

「今回のことはどう落とし前をつけるおつもりですか?」

 彬人は静かに問う。

 その返答に宗一郎は詰まっていた。


「別に何かしてもらいたいとかありません。ただ……」

 そういうと、声のトーンが1段階下がる。


「沙良はウチが引き取りますよ、いいですね」

 それは有無を言わせない『絶対』だと、無言で彬人は告げていた。



 そして――沙良は移された病室から転院した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ