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運命の重なった時  作者: MEGko
その偶然は必然へと続く
33/224

④本当のこと

 外には梨絵の彼氏がこちらに向かっていた。店に入ってきて合流すると、同席していた蒼を見て一瞬「ん?」と顔を曇らせる。

「あー、こっちはご存じの沙良と、その相方の黒崎」

 その説明で納得したのか笑顔で「初めまして」と声を掛けた。蒼は無言で会釈をする。


「あれ? 今日は彼氏さん早くない? お仕事は?」

 沙良の彼氏は社会人なのだが、今は仕事が終わる時間には少し早い。沙良は不思議に思い尋ねた。


「今日は直行直帰なんだよー会社戻らなくていいから。早いのは秘密な」

 人差し指を唇に当て笑顔で答えると開いている席に座って、ホットコーヒーを注文した。


「そっかー蒼くんは初めてだよね。梨絵の彼氏さんの、えっと……」

「林 雅人です。よろしく」

 名前を言い出せないことを察して梨絵の彼氏の雅人は蒼に自己紹介をする。スーツが良く似合っている爽やかな営業マンだった。


「黒崎蒼です。よろしく……」

 携帯を触っていた手を止めて雅人を見ると、蒼も名乗った。


「この後、私らご飯行くけど沙良と黒崎はどーする? 一緒にどっか行く?」

 梨絵はマイペースに夕飯の同席を提案した。チラッと沙良は蒼を見る。蒼は携帯を触りながら「どっちでもいいぞ」と答えた。


「うーん、でも勉強したいんよね、私ヤバいから」

「もうすぐ共通テストなのは私も一緒だよー!」

 そう言いながら二人で嘆いていたが、結局今回は辞退することを梨絵に告げた。

「ケーキも食べ終わったしー、また次回絶対よ!」

 と言うと、梨絵は仲良く雅人と店を後にした。沙良と蒼のお会計も済ませてくれたことを帰り際のレジで知り、感謝と感動ののち後でお礼のメッセージを梨絵に送っておいた。なぜか蒼は不機嫌である。


「なんか……私ダメなこと梨絵に言っちゃって、それで怒っているの?」

 迎えの車を待ちながら、沙良は蒼に尋ねた。その言葉を聞いて蒼は何も言わず沙良の頭を軽くポンポンする。

「そんなことぐらいで怒らねーよ。それに当たってるしな」

 心配そうな顔をしていた沙良に微笑む。


「そんな笑顔なんて沙良ちゃん以外にはしないから安心していいよ」

「え?」

 背後から声がかかり、沙良はびっくりして振り返る。蒼はため息をつきながら、邪魔者を睨みつけた。

「あれ……結城くん?」

 後ろで結城が「はぁい」と手を振っている。

「沙良ちゃんストーカーの結城でぇす」

 と結城はお道化て笑ってみせた。


「お前なぁ……」

「野暮用で本家行ったら迎えに行くって言うから付いてきちゃった」

 ケラケラ笑っている結城をじーっと沙良は見ていた。


「結城くんもたくましくなってる……かなり?」

「あ、そーか。ナツのしごきから帰ってきてから会うのは初だもんね。どぉ? 惚れてもいいよん」

 見た目は一回り大きくなった? という感じの体格となっており筋肉量増加からけっこう頑張った後が伺える。そして、少し小麦色に焼けていた。しかし、そうしてニコニコしていると結城のあどけなさが分かる。しかしその冗談は蒼には通じず、激しい怒りのオーラが結城に降り注いでいた。


「まぁ、とりあえず乗って乗って、続きは帰ってから」

 蒼のオーラをモノともせず、結城は車のドアを開けると沙良を乗るように促した。


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