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コトリビト

作者: クソラノベ量産機

かくれんぼをテーマに恐怖体験を書いてみました。

 これは、私が小学校の頃体験した話です。

私には母と父がおり一人っ子なのですが、ある日の夏休みの登校日に家に帰って来た時の事です。


 両親は共働きなので、家には鍵が掛かっているはずなのですが何故かこの日は開いており、初めは鍵を掛け忘れただけなのかと思い中に入ってみると何時もと違った雰囲気があり、どことなく自分の家なのに自分の家じゃない様な感覚を覚えました。


 私は違和感はありましたが、あまりの暑さに家に入り冷蔵庫を開けると入っていたオレンジジュースを二つのコップに注いでいました。


(あれ? なんで二つのコップに注いでるんだろ?)


 自分でも理解出来ない事が起きてはいましたが、なんとなくジュースを飲み干した後、もう一つのコップを見てみると注いだはずのジュースが誰かに飲み干されたかの様に消えていました。


 自分以外に誰か居るのかと思い周囲を見渡したり、家中を探し周ったりしましたが誰か居る気配すらありません。


 私は何の気無しに【もういいかい?】と誰もいないのを確認したにも関わらず口から自然に言葉が出てしまいました。


「おぉ………えぇ………おぇ……おぉ……。」


 すると人の声とは思えない様な喉が潰さろた動物の声なのかも分からない不気味な声が自分の意思とは関係なく私自身の口から出ていました。


 怖くなった私は、家から飛び出し走って逃げる際に家を観てみると黒い人影が大量に蜥蜴の様にしがみつきながら私の方を不気味に笑いながら、私を観察しているように見えました。


 私は、走って逃げてる最中に気分が悪くなり飲み干したジュースを嘔吐してしまい少しの間、動けなくなってしまいましたが得体の知れない何かが追いかけて来てるのではないかと想像すると気分の悪さより恐怖が勝り、学校の職員室まで逃げ残っている先生に助けを求めました。


 先生に私は家で起きた事を話しましたが、先生は頷きながら私の頭を撫でて落ち着かせる事だけしか考えて無かったんだと今となっては思います。


 しばらくすると両親が学校に迎えに来てくれたのですが、どうしても帰りたくなかった私は、だだを捏ねるも母に抱き上げられ恐怖の対象でしかない家に連れていかれました。


 家に着いて私は両親に黒い人影は、もういない?

と聞きますが、何かと見間違えたのでしょ、と一蹴され持っていた予備の鍵で母は玄関の鍵を開けた時にはゾッとしました。


 だってそうでしょう?

私は家に鍵も掛けずに飛び出して走って逃げたはずなのに、考えられる事は私が一度入った家は別世界に位置する、よく似た家だったのでしょう。


 夏休みの間、私はお婆ちゃんの家に行った時に体験した話をすると顔を青くしながら必死に何か口にしてないだろうね!

と私の両肩に手を乗せユサユサと凄い形相で揺らしてきましたが、ジュースを飲んだ後に吐き出した話をしたら安堵し胸を撫で下ろし私が体験した黒い人影が何なのかゆっくりと話してくれました。


「良かった、いいかい? それは“コトリビト”と言ってな、一人っ子の子供を狙って連れ去ってしまう妖怪みたいな者さ。」


「連れてかれたら、どうなるの?」


「さあね、そこまではアタシも知らないね……ただ、行方不明になった子は皆コトリビトに連れていかれたんじゃないかって皆を言っとるね。」


 それから、お婆ちゃんから詳しい話を聞いて私が助かったのは飲み干したジュースを吐き出したから助かったんじゃないかと言っていたのを覚えてる。


 その日は、お婆ちゃんの家に泊まる様に言われて襖の部屋に連れていかれ、そこで寝る事になった私は疲れている事もあり、ぐっすり眠るが夢の中でお婆ちゃんの話していたコトリビトが一本道を塞ぐ様に目の前に現れた。


「あぃ……ぇ……ぃえ…あぉ?」


 その発する声を私は何故かハッキリと〈何で逃げたの?〉と聞こえてしまった。

 私は、その場から逃げようとしても金縛りにあったかの様に身体が動かす、ソイツは蜥蜴の様に這いずりながら私の方へと近付いて来る。

 その際に発し続けている言葉は今でも耳に残っている。


「えぇ……あんぇ…?」


 と言葉を【ねぇ、何で?】と何度も何度も私に近付きながら発していた事で死を覚悟したが、コトリビトの手が触れる間近で目が覚め辺りを見ると巫女さん?の格好をした人が私に大幣を振りながらお経を読み上げていた。


 私の身体からは大量の汗が吹き出ており、布団もビッショリと濡れてしまっていたが再び眠りについてしまったが、今度は夢を見る事無く翌朝になっていた。


「これで、コトリビトに悩まされなくて済むね。 コレ、肌見離さず持っておくんだよ。」


 そう言うとお婆ちゃんは、御守りを私に手渡してくれました。

昨日みた夢の話をお婆ちゃんにすると、やっぱりね奴等はしつこいんだと、まるで他にもコトリビトから一度逃げたが再び襲われた事例があるかの様に語りました。


 私は、お婆ちゃんから手渡された御守りを握りしめ大人になるまでは絶対に無くさない様にと念を押され家路に着き、何となく家の壁を見ると私の部屋を覗き込んで、まるで私を探しているかの様な動きをしている黒い人影は、御守りのおかげか私には気付いていない様だった。


「おぉ……いぃ…おぉ………。」


 その声は【もう、いいよう。】と“かくれんぼ”をしているかの様な台詞だったのを覚えてる。


 私は、お婆ちゃんに言われた通りに風呂に入る時も首から紐でぶら下げ手放さない様に御守りでコトリビトから自分の存在を悟られない様にしました。


 そして、大人になった私は結婚し幸せな家庭をきづいて生まれた子供も小学生になりました。


 とある日、子供が窓を指差して私に「あれ、なぁに?」と尋ねたので窓を見ると黒い人影が窓にくっついておりニヤァと嗤うと私の頭の中に「みぃつけた!」と不気味な声が響くと気を失ってしまいました。


 意識が戻ると何処にも自分の子供の姿が見えず、警察にも行方不明届けを出しましたが一向に子供が見つかる事はありませんでした。


 きっと、私の子供はコトリビトに連れ去られてしまったのでしょう。


コトリビト

後味の悪い最後になりますが、ホラーって大体こんな感じの終わり方多いですよね?


特に映画とかでよく見る気がする。

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