キスから始まる世界
「ママ!」
「まったく、あの子はあんたにそっくりで、母親が好きだな。」
「えぇ、そうだね。」
目が覚めたら、隣には知らない男がいた。名前を聞こうか悩む。なぜか顔が夢の人に似てるような、似てないような、ぼやけた感じ。私、風邪でもひいたのか、自分は幻覚を見ているのかよくわかない。けれど、なぜかこの人を見ると夢を思い出す。やっぱり私、風邪ひいたのかなと自分に問いかける。しかし、どこも悪くない。
「んっ!」
起きたと思ったけど、いきなり、見ず知らずの人にベッドに押し付けられ、キスをされる。私は思わず、その人を押し飛ばす。今、自分は何をしているのだと、頭が真っ白になる。
「おはよ~う。苺恋~。」
なぜ、自分の名前を知っているのか、気になる。でも、何も言えないと思っているのに、小さく言おうとしている自分がいる。思わず、思っていた事が先走って、口に出してしまう。「あっ、あの!単刀直入なんですが、なっ、なぜ、わっ、私の名前を知っているんですか?あっ、あと、急にあんな事するんですか?!」
「はっ、はっ、はー」
「なっ何ですか、急に笑い出して。」
「そうか、しらないか。僕達は、秘密の関係さ。」
「ひっ、秘密の?関係?」
「君は、半分死んでいて、半分生きている人間さ。そう、この人間のことを“アスミナズ”つまり、人間界で言う、“半死人”というのさ。」
「アスミナズ?半死人?人間界?まっ待って、あなたは、人間ではないの?」
「まっ、そうだな。俺は、人間には、見られにくい、死んだ人間を異世界や転生などを手伝いする、いわゆる“神様”っやつだ。」
「神様?じゃあ、何で、神様が家に居るんですか?私は、完全に死んでる訳でもないのに。」
「それはな、時々アスミナズは“アシス”と言う組織や悪い奴らに狙われて、殺されて、売られるんだ。高値で売買出来るからな。だから、神様はアスミナズを守るという、命令を一生聞いていなければならない。」
「そうなんですね。だから、」
「そっ、それでな。守る方法が沢山あるだ。よく、言われるのは、アスミナズとアスミナズを見守る神様が結婚するという、方法だ。アスミナズとアスミナズを見守る神様が結婚するとアスミナズは、元の普通の人間にもどれるというのと、神様は人間界でも、普通に暮らせ、人間に見られにくい存在にならなくなる。という事だ。しかし、離婚すると、その効果が切れてしまうのも、事実。」
「そっ、それをしたいといっ、いうこと?」
「まっ、そっ、そう・・・だな。」
えっ、えっ、いきなり、みっ、見ず知らずの人じゃなくて、神様にけっ、けっ、結婚!?
「しかもな、その結婚の申請は、今週以内に提出しなければ、神様変更みたいな事があるから、早くきめないと・・・」
「まっ、まって、今週中に申請!?てか、今週ってあと、1日しかないじゃない!しかも、明日は私の誕生日だし。」
「どうする?俺はどっちでも、いいけど、最後に決めるのは、お前だからな。」
「よし、私決めた!明日、誕生日会が終わったら、お父さんとお母さんに結婚する事を言う」
「おっ、お前、マジかよ。本気で!?」
そう、もうどうせ私になんか出会いなんて、ないし、結婚しないと、神様が変わっちゃうんだし、出会ったからには、結婚した方がいいよね!
こいつ、マジでいってっのか?こんなやつ初めてみたな。だって、今までは・・・
「は?マジで言ってのー?はぁ~お前と結婚!何言ってんの?私、彼氏いるし、彼氏がいなかったとしても、お前はマジで無いわ~だったら、他のやつと結婚したいわ。マジひくわ~」
って、言われてたけど、コイツは何か違う。一体、何が違うだろうか。
今日は、いよいよ両親に言う日。も~どう言えば良いのか全然分かんないんですけど~...
ついに、この時間が来てしまった。なんなら、もう言ってしまえ!
「あのの、お母さん!お父さん!大事な話があるんだけど・・・」
「なぁに、早く言っておくれ。」
「わっ私、彼氏と結婚する事にしたの!」
もっ・・・もしかして、怒ってる?わっ・・・私、怒らせちゃった?許してくれないのかな?
「苺恋、母さんも父さんも許す。だか、その彼氏に会わせるのと同時に宣言してもらおうかな。なぁ、母さん。」
「そうですね。あっ、そうだ。いつかのために20歳の時に貰っておいたのよ。ほら、こ~れ婚姻届。」
「えっ~‼️‼️」
「旦那さんにも書いてもらってね。」
ガチャ
「あっ、来た。」
「こちら、私の彼氏の來前 セラズさんです。」
「こんにちは。お世話になります。來前セラズです。よろしくお願いします。」
「あら、かっこいいわね。2人ともお似合いだわ。ねぇ、お父さん。」
「お、おぅ、そうだな母さん。」
こんにちは。巫琴 莉莉です。今回、「キスから始まる世界」の1話をよんでくださり心から、ありがとうございます!頑張って、書きますのでぜひ、応援とともに、2話をよろしくお願いします。ちなみに私は、学生です(バカな)。アニメを見るのが好きで、先輩達のお話を参考に趣味で小説を書いています。心の中はアニメ化になってほしいと、ちょっぴり(嘘、すごく)思っています。これからもよろしくお願いします。