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異世界から勇者を呼んだら、とんでもない迷惑集団が来た件(前編)  作者: 笹川 慶介
列国首都奪還・不死鳥の謀略
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19話

 最後でこうも詰めを誤ってしまうとは…やはり自分の煽り魔の日頃の所業が成せる天罰というやつでしょうか。ヨホホホホ。


 自分の前には、もう手加減抜きだと言わんばかりの、本来の姿である島サイズの超巨大アノマロカリスとなった、フォーマルハウトさんが浮かんでいます。

 あの方の放つ強力な光線の魔法では、自分の防護魔法などたやすく消し飛んでしまうでしょう。

 アルキオネさんやセシリアさんたちの安全が保障できないということです。


 そして、かつての海での戦にて経験しましたが、この状態のフォーマルハウトさんは急所や弱点というものがなく、自分たちは無力を思い知らされました。

 攻撃しても攻撃しても、気を紛らわせることさえできなかったのです。傷を付けようにも、自己再生の力が圧倒的に上であり、瞬く間に修復されてしまいます。


 それでも、戦うしかありません。冷静に考えて勝てるはずがないですけど、自分が立ち塞がらなければアルキオネさんが殺されてしまいます。

 アルデバラン様の配下であるはずのアルキオネさんを処刑という名で殺す権限がフォーマルハウトさんにあるのかという疑問はありますけど。

 元帥ですし、あるのかもしれません。

 ヨホホホホ。その辺りの魔族の事情に関して、自分は知らないですし知る機会もおそらくないでしょう。知りたいとは思いますけど、それはあくまで余計なことを知りたいというどうでもいい好奇心からくるものです。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 フォーマルハウトさんの巨大な咆哮が響きました。

 空気を大き揺らす大音響に、耳が圧倒されます。

 ヨホホホホ。フォーマルハウトさんは退いてなどくれないということでしょう。最初からそうですけどね。

 ドジョウ先生を構え直します。


「ヨホホホホ。それでは、行くとしましょうか」


 自分はドジョウ先生を手に、フォーマルハウトさんへ向けて駆け出しました。



 …とはいえ、フォーマルハウトさんは空に浮かんでいます。

 まずはどうにかして下すべきでしょうか。

 ドジョウ先生を投げれば届きますけど、槍一本の攻撃などでは、フォーマルハウトさんには蚊に刺された程度にも感じられないのは明白です。


 しかし接近しないことには始まりません。

 飛び上がって、口元に刺突攻撃でもしようかと思いましたが、その前に駆け出した自分に対してフォーマルハウトさんが動きを見せました。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 フォーマルハウトさんが咆哮をあげると、空に幾つもの巨大な魔法陣が出現して、そこから自分を迎撃するために無数の光弾の魔法が打ち込まれてきました。

 さながらマシンガンのような、数撃てば当たると言わんばかりのとんでもない数の攻撃です。


「ヨホホホホ。これはなかなかに激しい攻撃ですね」


 防護魔法を展開しつつ、飛来する光弾をドジョウ先生で弾いたりしながら対応しつつ、防護魔法の足場を利用して空に駆け上がります。


 このままフォーマルハウトさんへ接近を試みようとしますが、その前にフォーマルハウトさんの方が動きます。


 自分の展開する防護魔法の足場から次に動く場所を予測したのでしょうか。

 正確に自分の周囲に発破魔法を発動させました。


「!?」


 慌てて足場を消失させて、その爆発から逃げ出します。

 そして再度足場を防護魔法で展開させて飛び跳ね、製薬魔法を用いてフォーマルハウトさんの目の前に催涙ガスを生成します。


 自分は飛来する光弾の嵐を交わしながらフォーマルハウトさんの横側へと回りこみ、その頭部へと乗り込みました。

 催涙ガスを操作してフォーマルハウトさんの鼻や目にガスを流し込みます。

 …鼻がわかりません。


 それはともかく、フォーマルハウトさんに反応がありました。

 催涙ガスの影響か、光弾を撃ちまくっていた魔法陣が形を崩して銃撃の雨を中断し、壊れて消えてしまいました。

 涙を流しているのかどうかについては不明ですが、催涙ガスが効いて魔法の継続が不可能になったにせよ、企みを持った意図的な行為であるにせよ、どちらの可能性でも肉薄できるチャンスです。


 ドジョウ先生をフォーマルハウトさんの甲殻に向けて突き立てました。


 槍は深く刺さりましたが、島サイズのアノマロカリスさんモードのフォーマルハウトさんにとっては何ら影響がない可能性が高いです。


 もちろん、こんなちまちました攻撃が自分の目的ではありません。


「ヨホホホホ。これで如何でしょう?」


 その槍を突き刺して作った傷に向けて、何時ぞやの気持ち悪いというか下手くそな外見だったキメラもどき…いやサソリキメラもどきに向けて流し込んだことのある微量で象も昏倒する麻酔薬を大量に生成して流し込みます。

 島サイズのアノマロカリスさんモードのフォーマルハウトさんですから、それこそ何百リットルトイレなければ効果の片鱗も見えないでしょう。

 というわけで、とにかく大量に生成して流し込みます。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 フォーマルハウトさんが咆哮を響かせます。

 空気が震え、耳の感じる音が押しつぶされます。

 しかし、この程度では自分はやめませんよ〜。ヨホホホホ。

 フォーマルハウトさんに効いているかどうかは不明ですが、それでもフォーマルハウトさんは行動を起こしてきました。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 降りろ、と言っているかのような咆哮を響かせると、自身の体表の甲殻上に噴火魔法を発動させてきました。

 槍が刺さっていることと、薬を流し込んでいたことで自分の位置が判別できたのでしょう。


 とっさに回避することには成功しましたが、薬の流し込みは中断することとなりました。


 しかし、妨害してきたということは効いているかもしれません。

 頭から背中の方に飛ばされながらも再度着地に成功した自分は、もう一度ドジョウ先生をフォーマルハウトさんの甲殻に突き立てました。

 そして再度薬を流し込もうとします。


 ですが、フォーマルハウトさんも対策を練っていました。

 槍を突き立てた途端、そこに噴火魔法が展開して自分に直撃しました。


「熱っちいであります!」


 黒焦げにされて吹き飛ばされ、フォーマルハウトさんから落下します。

 空中で体勢を立て直して防護魔法で足場を展開し着地しますが、振り落とされてしまいました。

 しかもドジョウ先生をフォーマルハウトさんの背中に残しています。


「ヨホホホホ。ジューシーになってしまいましたね」


 見事に焦げた腕を見ます。

 火傷ですが、重傷というほどではないでしょう。

 治癒魔法で手早く治療してから、ドジョウ先生を突き立てた場所に製薬魔法で麻酔薬を生成して流し込みます。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 フォーマルハウトさんが再度咆哮を轟かせました。

 顎に手を当てつつ、フォーマルハウトさんの様子を見ながら、麻酔を引き続き流し込んでいきます。

 ヨホホホホ。こう、仁王立ちして敵を見据えるというのはかっこいいですな。

 ロクなことにならんから真面目に戦え、と? ヨホホホホ。こんな事しているようでは、ろくな目に合わないのはわかっていますとも。

 しかし、そのようなオチを恐れていては自分に煽り魔の資格はありません。

 煽り魔の資格を捨てろ、と? ヨホホホホ。お断ります。


 フォーマルハウトさんが発動させた発破魔法が自分の背中に直撃しました。


「アウチ!?」


 見事にロクデモナイ目を見てしまいました。

 予想通りとはいえ、調子にのると天罰は確実にきてしまいますね。


 起き上がります。

 製薬魔法で生成した麻酔は流し込み続けていますが、フォーマルハウトさんはまだ倒れる気配がありません。かなりタフなようです。

 もうかなりの量を流し込んでいるはずなのですが。


「–––––ゴハッ!」


 製薬魔法の使用しすぎの代償からか、さらに広がった寄生魔法からくる内臓のダメージにより、血が喉にせり上がってきました。

 面の下に吐き出します。

 かすかに面を傾けて、その中身の血を外に流して再度面をかぶり直します。


 ヨホホホホ。だいぶキツくなってきました。

 ドジョウ先生の邪法を使用すればすぐにでも決着と相成りますが、条件が揃っていないのでそれはできません。

 フォーマルハウトさんの甲殻にドジョウ先生が傷をつけることができたときは勝機が見えた気もしたのですが。


 麻酔を流し込んでいては、フォーマルハウトさんに効く前に自分の方が倒れて寄生魔法に飲み込まれてしまいます。

 そうなるとアルキオネさんが助からない可能性が跳ね上がりますので、ここは攻め方を変えて何とか勝機を見出していきましょう。


 とりあえずドジョウ先生を手元に戻します。

 そしてフォーマルハウトさんの視界を遮るように、フォーマルハウトさんの頭部周辺に催涙ガスを発生させました。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 しかし、フォーマルハウトさんもなんども同じ手は食らってはくれません。

 咆哮を轟かして、催涙ガスを散らしてしまいました。


 何とかその隙に肉薄しようとしていた自分は、しかし止まるわけにもいかないので、フォーマルハウトさんに接近を試みます。

 可能な限り近くまでは走り、そこから防護魔法で足場を展開しつつ駆け上がります。


 フォーマルハウトさんに肉薄し、この甲殻に発勁を叩き込もうとします。

 効果がないのはわかっていますが、物は試しというやつです。

 力を込め強く打ち込もうとした時でした。


 ギョロリ、と。

 自分が発勁を叩き込もうとしていた甲殻の部分がいきなり開き、中から巨大な眼球が出てきたのです。

 突然のことに思わず手が止まります。

 そこに、フォーマルハウトさんはその眼球から魔法を使用したのでしょう。光線を撃ち出して、自分の胴体を2つに切り裂きました。


「ッ!」


 すぐに蘇生魔法を発動させて修復をしますが、切り離された隙に寄生魔法はさらに広がりを見せました。

 その上、自分の位置を知られてしまったようです。


 防護魔法の足場に着地して、そこからすぐに動き回ります。

 防護魔法を用いた足場を様々な場所に作り出し、それらを蹴りながらフォーマルハウトさんの目から何とか逃れようと試みます。

 しかし、フォーマルハウトさんの背中からは無数の目が浮かび上がり、そこから自分を狙い撃ちするように無数の光線を撃ってきました。


「ッ!?」


 右の肘を撃ち抜かれて、腕が焼き切られました。

 なんとか他の光線の回避はできましたが、予想以上に熱いです。


 ヨホホホホ。わかっていたつもりですが、手も足も出ないとはまさにこのことですね。

 フォーマルハウトさんとの力の差を、戦い続けるたびに思い知らされていきます。


 治癒魔法で腕を再生してから、製薬魔法で催涙ガスを無数に展開するフォーマルハウトさんの目に撒き散らします。

 しかし、フォーマルハウトさんはすぐに光線を放ってくる目を閉じて催涙ガスを交わしました。

 不発となりましたが、3度も受けて仕舞えば対策されるのは当たり前でしょう。


「ヨホホホホ。元帥の名は伊達–––––ゴハッ! だ、伊達ではないですね〜」


 また血を吐いてしまいました。

 常時寄生魔法に対抗するために治癒魔法を行使していますし、回復魔法も使いまくってますし、戦闘ともなれば防護魔法をはじめとする多数の魔法を使用してもなお、魔力は有り余るほどに残っていますので魔法に関しては行使に何ら問題はありません。勇者補正の恩恵は計り知れず、女神様には感謝してもしきれません。

 ですが、魔力は有り余っていても、魔法を使うたびに血反吐を吐いていては身体が持ちそうにありません。

 ヨホホホホ。女神様にこれほどの恩恵を与えられながら、この体たらくは誠に面目ないと思います。自分の信仰はまだまだということなのでしょう。


 ドジョウ先生をフォーマルハウトさんに向けて投擲しようとします。

 目標は、脳にしようと思います。

 何のためにと問われれば、単なる悪あがきですとしか言いようがありません。ヨホホホホ。


 ですが、その悪あがきもフォーマルハウトさんの地殻魔法による土の杭の攻撃に足を貫かれて阻止されました。


「アウチ!?」


 これもこれで結構痛いです。

 ドジョウ先生を思わず取り落としてしまいました。ヨホホホホ。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 フォーマルハウトさんは、口にかつて見たあの超強力な光線を放つための溜めに入りました。

 その目標は、自分ではなくアルキオネさんとセシリアさんたち、そしてその先にある神聖ヒアント帝国の北部の港です。

 セシリアさんたちには危害を加えるつもりはないと言いましたが、あれは口約束でしかありませんし、アルキオネさんを殺すときに巻き込まれただけと主張されれば事故ということにできるでしょう。

 そんな言い訳を考えているとは思えませんが、とにかく攻撃準備に入りました。


「ヨホホホホ。それは阻止させていただきます」


 杭に貫かれて縫い付けられた足をドジョウ先生を使って切り落として拘束から逃れ、治癒魔法で再生させます。

 靴がなくなってバランスが悪くなりましたが、そんな事気にしてもフォーマルハウトさんは待ったなどしてくれません。

 当たり前ですよね。ヨホホホホ。


 とにかく、妨害するために前回のように防護魔法を用いた射線軌道修正作戦でいきましょう。

 有り余る魔力を用いて形成した防護魔法をフォーマルハウトさんの顎に当てて力ずくで押し上げにかかります。


 ですが、前回の失敗に対して、フォーマルハウトさんは対抗策を持ってきていました。

 防護魔法で押し上げられるのは耐えきれず軌道を変更させられます。

 ならば防護魔法そのものを崩しにかかると言わんばかりに、再び開いた目から光線を放ち自分に直撃させました。

 咄嗟に防護魔法を展開して防ぎます。

 もちろん、フォーマルハウトさんを押し上げる防護魔法には微塵の歪みも与えません。


 ヨホホホホ。このままひっくり返してしまいましょうか?

 さらに魔力をつぎ込んで押し上げます。

 もう力ずくですね。ヨホホホホ。雑な戦いとなりましたが、致し方ないのでご了承ください。

 フォーマルハウトさんは何とか体勢を戻そうとあがきますが、自分の莫大な魔力をつぎ込んだ防護魔法による押し上げには負けています。


「ッ!?」


 口だけでなく、鼻や目からも血が吹き出し、寄生魔法が治癒魔法を上回って侵食範囲を広げていきますが、魔力をつぎ込む手は緩めません。

 自分は治癒魔法でどうにかなります。しかし、皆さんはそうはいかないです。

 あの光線を受けて仕舞えば、蘇生魔法では何をしても意味のないほどに死体が消し飛んでしまい、彼女らを生き返らせる手段も無くなります。

 助けると見得を切りました。生きたいと願うアルキオネさんの手を取りました。

 ヨホホホホ。自分は勇者である前に、道徳を学んだ、平和な世界を知る1人の人間です。命がけされるのを、生きたいと叫ぶ相手を、見捨てることなどできません。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 フォーマルハウトさんがいよいよ焦ったように咆哮を響かせました。

 ここまでして抵抗されるのが想定外だったのでしょうか?

 フォーマルハウトさんからしてみれば、セシリアさんたちも、アルキオネさんも、自分を殺すために敵として立ちふさがった方々です。

 なのにここまでして助けるのかと、疑問に思うでしょう。敵ならば容赦なく潰すという選択をするのは当たり前なのかもしれません。


 ですが、敵でさえも情けをかけ助けるということは、自分の召喚される前に住んでいた世界の島国では、よくある風習のようなものなのです。

 自分もまた、先達に倣いましょう。


 背中や腕や脚などの血管が裂けて、血が噴き出してきます。

 ヨホホホホ。寄生魔法とは本当にエグいものですね。

 治癒魔法のある自分ならばともかく、自分以外の勇者が受けていたとしたら、どれほどの苦痛を与えられることになるのか分かりません。

 しかし、ひどい惨状となったであろうことは確かです。


 服が真っ赤に染まっていきます。

 それでも自分は防護魔法に魔力をつぎ込み続けます。


 そして、ついにフォーマルハウトさんが根をあげました。


「––––––––––––––––––––––!!!!!」


 音も光も失う大音量、大光量の光線が、ついに堪らなくなったのかフォーマルハウトさんから撃ち出されて、空の彼方へと飛んで行きました。


 …ヨホホホホ。

 勝ったよう、ですね〜…。


「…ッ」


 疲れ果てた自分は、ドジョウ先生を杖代わりにしてその場に膝をつきました。

 自分の前では、フォーマルハウトさんが幼女の姿となって同じように疲れ果てた様子で膝をついています。

 魔力はともかく疲労と怪我がひどく、防護魔法が維持できません。

 思わずアルキオネさんたちを隔絶していた防護魔法の展開を解除してしまいました。


「………」


 フォーマルハウトさんは疲れ立てた様子で、その場に倒れ込みます。

 あの様子ならば、アルキオネさんに危害を加えられるほどの余力は残っていないでしょう。


「フォーマルハウト様!?」


 そして忠臣たるアルキオネさんは、命を取ろうとした相手だとしても上の立場にある方は重んじるようです。

 真っ先に倒れこんだフォーマルハウトさんに駆け寄っていきました。


「フォーマルハウト様! しっかりしてください!」


「あ、アルキオネ…? 何で…?」


 フォーマルハウトさんは困惑している様子です。

 殺そうとしていたはずなのに、何で真っ先に駆け寄ってきたのかと問いたいのでしょう。

 それに対して、アルキオネさんは涙ぐみながらフォーマルハウトさんを抱きしめました。


「よかった…!」


「………」


 どうしていいかわからず困惑するフォーマルハウトさんですが、次のアルキオネさんの言葉で表情が変わりました。


「たとえ、処刑を言い渡した相手であれ、私にとってはお仕えする魔族皇国の偉大なる元帥のお一人です。その身を案じないなど、そのような者に魔族の将軍を名乗れましょうか? ご無事で、本当に良かったです…」


「…見事な、忠義だキュイ」


 アルキオネさんがどこまでも忠臣であり続けるということを感じたのでしょうか。

 フォーマルハウトさんは申し訳なさそうな、そして嬉しそうな複雑な表情を浮かべました。


 …いつのまにか和解してしまいましたね。

 自分はお邪魔虫なので、退散するとしましょう。

 おっと、その前に。


 フォーマルハウトさんとアルキオネさんのやりとりに親子揃って目が釘付けになってしまっているセシリアさんの父親に向けて、回復魔法を施しておきます。

 これで胃がんは治ったでしょう。

 自分は、誰にも気づかれないうちにその場を去ることにしました。

…街道の封鎖は解除されたものの、散々な破壊行動によって街道は使用不可能にあるのは変わりません。


三章被害その6

…街道が壊れた。

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