9話
神国が連邦と同盟を締結し、援軍として二十万の軍勢が各前線に送られているというその報告は、撤退中であったセルゲイ氏一行の元に唐突に入ってきました。
「なっ…!?」
その報告に、もちろん人族の皆さんは愕然とします。
確かに神国の力は人族の国々が束になってかかろうとも微塵も揺るがない強大なものです。二十万という軍勢もヨブトリカと同盟国が総力を結集してようやく出せるかどうかというほどの兵力です。それをやすやすとくりだせるというならば、確かに神国と手を結べば敵はいないでしょう。
しかし、本来人族同士は手を取り合い魔族と天族の侵略から人族の大陸を守り抜き生き残ることが第一の目標であるはずです。いくら王国と連邦が戦争状態にあるとはいえ、その戦局を覆すために天族に協力を仰ぐことなど本末転倒でしょう。
しかし、同時に絶望的であったグノウの救援が可能となりました。
アレクセイ将軍から送られて自分たちと合流を果たしたその伝令は、セルゲイ氏に対してモスカル要塞を放棄しグノウの救援を行い、先発している神国の援軍とともにグノウの住民たちをグリヤートまで撤退させろという命令を届けようとしていたそうです。
つまり、神国と協力してヨブトリカ軍を迎撃することは決定事項ということになります。
上層部の命令でもありますし、何よりグノウの人たちを救えるということに、セルゲイ氏は迷いを振り払いました。
「グノウの救援のため、進路を変える。ルビンスキー党首が何をお考えか私にはわからないが、まずは目の前の同胞を救うことが最優先だ。思うところはあるだろうが、今は神国と共闘しヨブトリカ軍を追い払う。異論は認めない」
セルゲイ氏も納得しているわけではないでしょう。
それでも、そう命じたのはやはり軍人だからなのかもしれません。
命令を受けたモスカル要塞の守備隊も、苦い思いを抱きそれを顔に出しながらも、一言として反論することはなく、ただ敬礼を返答としました。
そしてリュドミラさんは、この報告と新たな命令を聞いて一気に表情に光が戻りました。
「これで、みんなが救える…! 待ってて!」
「佐久間、こっちにピザをくれ」
「んん、真面目な雰囲気を壊すのはやめるように!」
「ピリピリするでないぞ、リュドミラ!」
「誰のせいだよって、私の名前覚えているじゃないですか!」
「…佐久間ぁ!」
「そっちじゃねえよ!」
復活直後から、楽しく雪城さんとじゃれ合っています。
目に光が戻り、声の元に戻っています。
まだグノウを救ったわけではありませんが、それでも見捨てていたのがひっくり返った展開に喜びが抑えられない様子ですね。神国との共闘は、視界に入っていない様子です。
リュドミラさんに突っ込まれた雪城さんが、セルゲイ氏の隣で伝令からの命令を聞いていた自分の背中に飛びついてきました。
「ドクター!」
「おっと」
勇者補正の力からくる想像以上のと大きな衝撃に、思わず前に半歩踏み出してしまいます。
それに対して、格好良く命令を出したはずのセルゲイ氏の顔に疲労が浮き上がりました。
それを見たリュドミラさんの表情も、若干慌てたようになります。
雪城さんは自分の肩に顎を乗せて、随分と楽しそうな笑みを浮かべています。
「ドクターの背中は特等席だな!」
「…嬉しい評価ですね」
その頭を優しく撫でると、まるで人懐っこい犬のように雪城さんは嬉しそうな笑顔になります。
マウントバッテンにとても懐いている雪城さんのその笑みを見て、セルゲイ氏も唖然としていた伝令も、皆揃って穏やかな表情となりました。
「全く、本当に仲のいい兄妹にしか見えないな…」
セルゲイ氏がつぶやきを漏らします。
確かに、はたから見ればとても仲のいい兄妹に見えるのかもしれません。自分でもそう見えてしまう自信があります。
能面ですが、今はマウントバッテンですから。中身は比較的まともな人物ですので、そのような評価を受けるのでしょう。
マウントバッテンは演技の上にいる架空の人物。本来ならばいないですが、何故かここまで雪城さんに懐かれていますし、浅利さんを止めてから場合によってはバレるまで押し通すのも1つの選択肢になるのかもしれません。
もちろん、その選択を取るつもりはないです。
「というか、いつまで抱きついているつもりだよ!?」
はい、リュドミラさんから鋭いツッコミが入り、強制的に雪城さんは自分の背中から剥がされてしまいました。
それに対して、雪城さんは大層不服であることを示すように頬を膨らませます。
「ひどいぞ、ルーズベルト! あと1時間はドクターと密着していたいのに!」
「んなこと許されるわけないでしょうが!」
「嫉妬とは醜いぞ、近藤」
「リュドミラ! リュドミラ・スヴェルトルフ! あと、嫉妬なんてしてねえ!」
「随分と打ち解けた様子ですね」
自分に対してはまだ他人行儀な口調があるリュドミラさんですが、雪城さんに対してはすっかりツッコミ役が板についてきました。口調も砕け散り、むしろ荒っぽくなっています。
雪城さんの人徳と言えばいいのでしょうか。話が通じないとはいえ、人との距離を瞬く間にゼロに変えてしまうというか、誰彼構わずツッコミ役にしてしまうというのは、雪城さんの才能と言えるでしょう。
まだあれこれいい合う雪城さんとリュドミラさんを見ながら、毒気の抜かれたセルゲイ氏は改めて表情を引き締め直しました。
「進路変更! 目標、グノウ!」
セルゲイ氏の号令に、連邦軍は大きな声で応えました。
こうしてリュドミラさんの当初の目的通り、グノウへの救援に向かうことになりました。
モスカル要塞を攻撃していた敗残兵が合流している可能性もありますが、すでに先発している神国の援軍が到着しているといいます。
苦戦することはないと、その時は楽観的に考えていました。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
カブランカ大河。
雪を含んだ凍える水が流れるこの河は、既に一度大規模な戦場となった地でもある。
そこで、再びヨブトリカとジカートリヒッツの大規模な軍勢が激突した。
連邦軍はジノヴィエル准将率いる軍勢五千。
対して、ヨブトリカと同盟諸国の軍勢は十万という空前絶後の大軍だった。
「…ッ!」
ホラメットの国境を瞬く間に飲み込んだ想定をはるかに上回るヨブトリカ軍は、早々にハプストリアに後退したコバロティスの方針により放置された前線の混乱もあり、これまで連邦の小出しする兵力相手にまともな抵抗も許さずに進軍してきた。
100〜200程度の兵力を十万の軍勢にぶつけたところで、押しつぶされるのみである。
それは、初めてまともにまとまった兵力を当ててきたこの第二次カブランカ大河の戦いでも同じであった。
何しろ五千対十万である。勝負になるような戦力差ではない。
だが、ジノヴィエルは後退を許されなかった。
コバロティスの命令により、この五千の兵力はカブランカ大河の地形を利用して可能な限りヨブトリカ軍を足止めするよう厳命されている。
撤退は許されない。残してきた家族の生活は戦没者の遺族に支払われる謝礼金で保障されているが、玉砕から逃げる選択をした瞬間にその家族は一転して処刑されることとなっている。
ゆえに、ジノヴィエルはコバロティスの命令に従い、玉砕覚悟でここに立ちふさがった。
「勝利か、然らずば死か…」
空を見上げ、言葉に出さずに家族に別れを告げる。
軍人にとって、死ねという命令はあって当たり前のものだ。拒否権などない。
ならば、せめて花のように輝いて散るのみである。
勝利か死かという選択だが、勝利などつかめるはずもない。
対岸にたどり着いたヨブトリカ軍は、凍える大河を数に任せて進軍してくる。
「迎撃せよ!」
ジノヴィエルは大河を渡りきる前に攻撃を命じる。
ヨブトリカの冬季大攻勢作戦のホラメット共和国において最大規模となったこの戦いは、必死の覚悟で抵抗した連邦軍の抵抗によりヨブトリカ軍に大きな被害が発生した。
だが、十万の兵力にしてみれば大した損害とはならず、連邦軍五千を玉砕させたヨブトリカ軍はさらにホラメット量の奥へと侵攻していく。
ホラメット共和国を占領しせヨブトリカ軍は、その先のハプストリア共和国に侵攻する。
ここを制圧して仕舞えば、未だに頑強な抵抗を続けるプラフタの包囲が完成し、本格的な制圧にのり出せる。
ここでもコバロティスは前線の町や村を焼き払いながら抵抗することもなく後退し、それを追撃するヨブトリカ軍の戦線は補給線の構築が間に合わない速さで広がっていく。
しかし勝ち戦に勢いづく総司令官のチャットフィールドは前進命令を止めず、それに対して同盟側から不満が募り出す。
それに呼応するように、ハプストリア共和国内にある都市ティラガンの近郊にて連邦軍五千がホラントス帝国とエマンティア大公国の軍勢に奇襲を仕掛けてきた。
エマンティア大公国の先鋒は崩壊し、ホラントス帝国の陣まで突撃を許してしまう。
ホラントス帝国軍はカルロス将軍の指揮の元体制を立て直し、一度連邦軍の進撃を押し返すことに成功する。
それに対して連邦軍はまるで雪の聖霊の加護を受けたもののように、雪に覆われた戦場を人族とは思えないほどの正確さと速さで動いてヨブトリカ軍を翻弄し、実に8回の突撃をヨブトリカ軍に敢行した。
それによりヨブトリカ陸戦軍第五師団の参謀将校7名を始めとする多数の指揮官階級と将兵を戦死させてしまった。
戦闘そのものはヨブトリカの勝利で終わりハプストリアもついに陥落するが、その損害は大きく、ヨブトリカは一気に形勢を狂わされることとなる。
巧みな攻撃を続けたその連邦軍は命懸けでヨブトリカの進撃を阻止して、補給線を崩壊させることに成功した。
これによりヨブトリカ軍は大軍が逆に足かせとなり、極端な物資不足に陥ってしまう。
これに暴発したヨブトリカ軍は、物資不足を解消するために略奪をしようとしたが、すでに連邦軍が焼き払った後だった。しかし、ヨブトリカの将兵は同盟が物資を貯蓄していると思い込み、あろうことか味方である同盟軍に対して襲撃に仕掛けてしまう。
それに対して、同盟軍は我慢の限界と本格的な反撃を行う。
これにより冬季攻勢軍は同士討ちという最悪の事態を招いてしまう。
「待っていたぞ…この時を! 反撃だ!」
その時を狙い澄ませた様に、コバロティス率いる連邦本隊は反転攻勢を行う。
ティラガンで再度激突した両軍は、数で圧倒的に勝ながらも物資欠乏に加え同士討ちに陥っていたヨブトリカ軍はその反撃にまともな戦闘もできないまま敗戦し、ハプストリアから後退。
ホラメット共和国に撤退する頃には七万までその数を減らしており、物資不足と雪の中での撤退戦という地獄の中で多くの将兵がハプストリアに屍を晒す。
実際のところ戦闘で倒れた兵士は八千ほどであり、実にこの時点で二万以上の兵士が凍死や飢餓、病などによるものが死因となった。
ホラメットの国境にて体制を立て直し迎撃を行おうとしたヨブトリカ軍だったが、その追撃に現れた連邦軍は神国との連合軍でその数は十二万という大軍だった。
「な、なんだとおオォォウ!?」
それを見た瞬間、総司令官のチャットフィールドは驚愕に目を剥き、ヨブトリカ軍は戦う前に逃走する兵士が続出した。
それに対して、追撃軍の総大将となったウーリエは容赦のかけらもない追撃戦を仕掛ける。
「敵を分断、各個撃破しろ! 数にものを言わせ、身の程知らずの畜生どもを殲滅せよ!」
神国軍は空と地から攻撃を仕掛け、ヨブトリカ軍を圧倒。
戦線を支えようと奮戦したカルロス将軍は討死。さらに陸戦軍第一師団と分断された第五師団はウーリエの率いる神国軍本軍の総攻撃を受け、師団長ワーグナーが討死。第五師団は壊滅的な被害を受け、戦線の維持が不可能となったヨブトリカ軍は撤退。
その戦線はカブランカ大河まで後退し、神国軍の苛烈な追撃によりはぐれた軍が各個撃破され、雪に沈み、カブランカ大河に撤退する頃には十万の兵力はわずか三万ほどにまで削れてしまっていた。
実に七割の戦力がこの時点で戦死。多くは雪の猛威に凍え、物資不足に飢え、まるで連邦に仕掛けた蛮行を償うかのごとく悲惨な死を遂げている。この時点で、誰の目から見てもヨブトリカの冬季大攻勢は完全な失敗となる。
ウーリエ率いる神国軍は、離脱した連邦軍に代わりカブランカ大河にてヨブトリカ軍との決戦を行う。
連邦王国戦争において最大の犠牲者を出すことになった戦場であるカブランカ大河にて、三度目の大規模な戦闘が勃発した。
結果は、当然ながら神国軍の勝利である。
神国軍も苛烈で早い追撃のあまり多くの天族の兵士が雪にとらわれ、大河に沈んだものの、それ以上にヨブトリカ軍が受けた被害は大きかった。
そして、この戦いでついにヨブトリカの陸軍、そして右翼の最大の要たる人物である、陸戦軍第一師団長であり陸軍大将でもあるチャットフィールドが討死した。
ウーリエ自ら先頭となって逃げようとしたチャットフィールドの本陣に突撃した。
「おのれえェェェ! 天族よ、貴様らがでしゃばらなければこんなことには!」
「耳障りだ、下等種族! 我が栄光により伏すことなど、本来貴様のような畜生にくれるものではないが…味方を捨てて将が逃げるという喜劇を見せてくれたこともある。特別だ!この矛にかかること、名誉と知れ!」
「貫通術式–––––」
「ふん!」
「ぐはっ!?」
ウーリエはチャットフィールドの本陣に突撃したのち、自ら矛を振るい総大将であるチャットフィールドを討ち取る。
総大将の討死はヨブトリカ軍に衝撃となって伝わり、戦線を支え切れなくなったヨブトリカ軍はホラメットとダンペレクを放棄して、散り散りとなって逃げ出した。
カブランカ大河は三度その色を赤く染め、この戦場で一万を超えるヨブトリカ軍が戦死。ホラメットとダンペレクでは神国の追撃だけでなく、復讐として襲いかかる連邦の民の生き残りにも攻撃を受け、ヨブトリカの国境にたどり着いたのはたったの52人だった。
こうして、ヨブトリカと同盟の冬季大攻勢はそのほとんどの将兵を雪の中に沈め、人族の歴史においても稀に見る大敗としての結果を残すこととなった。
ヨブトリカの陸軍はこの大攻勢で将も兵も完全に失う形となり、同盟も大打撃を受け、ヨブトリカ軍国を支配する海軍に誰1人として逆らえない情勢に変わってしまった。
それがカンニガムの思い描いていた想定と、多くのものは予想していなかった。
そして、その先にある本当の侵攻作戦というものにも、まだ連邦側に気づくものは1人としていなかった。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
ヨブトリカ軍国の国境にある要塞、ドバノン。
国境の守備の要と言えるこの要塞都市は、ヨブトリカの北洋艦隊の拠点の1つでもある。
ダンペレクを奪還した神国軍は、ヨブトリカ領土に侵攻。国境の町村を攻め落としながら、この都市に避難してくる民間人を追ってドバノンに迫りつつある。
ドバノンの南にはエジンバラがあり、そこの砦にヨブトリカ海軍の先鋒が詰めていた。
本来彼らの戦場は海だが、陸軍は南方の第四師団と戦況も知らないままプラフタで攻防を続ける新設の第六師団を残し壊滅している。陸軍の兵士も将も欠乏しており、その埋め合わせに海軍が使用されていた。
そして、このエジンバラの砦は人族の新兵器が備え付けられていた。
「さーて、神国軍がこの戦争に介入してくるのはある程度予測がついていたからなー。本当だったら、こいつは連邦の最新型の航空戦艦用に用意したやつだしなー」
エジンバラの司令官である北洋第二艦隊所属のヘンリー大佐は、エジンバラに聳える多数のヨブトリカ軍が新開発した対空火砲を見上げながら呟く。
「ま、こいつの出番はまだ後なんだけどな…」
エジンバラの砦にて、この強力な火砲を用いて神国軍を迎撃する。まともな将ならばそう考えるだろう。
しかし、この火砲の役目は別にある。
そのために要塞都市であるドバノンを避難民の収容所としているのだ。
天族はこんな砦を見過ごし、ドバノンに攻撃を仕掛けるだろう。
「そこが…終点というわけだなー」
北洋艦隊はすでに北の海に集結しつつある。
大河を進む艦隊も準備ができているだろう。
カンニガムの思惑通りにことは進んでいるが、戦場に絶対は無い。
流れというのは突如としてその方向を変えるものだ。
ヘンリーはこの火砲の開発に技術提供してくれたとある人物を振り返る。
「えーと、勇者様とお呼びすればいいかな? 粗忽者なんで、言葉が不快なら無視してくれよー」
彼が目を向けた先にいるのは、1人の少女である。
本人は17と言い張っているが、ヘンリーの目には12〜13くらいにさえ見える小柄な少女である。
だが、彼女はその見た目に反し、異世界から召喚された勇者の1人であり、魔族や天族さえ圧倒する力を持つ人物である。
土師 若菜と名乗ったその少女は、ヘンリーの言葉に顔を上げる。
無視はしなかったようで、ヘンリーはホッと胸をなでおろす。
ネスティアント帝国の勇者は、不興を買えば山を削り都市を焼け野原にするという話は有名で、ヘンリーにも届いていた。
無視されなかったということは、少なくともいきなり攻撃されたりはしないだろう。
「…息詰まるわー」
ぼそりと呟く。
勇者にそれが聞こえているのかどうかは不明だが、彼女は突然立ち上がると背中を向けた。
「? どこかに出かけるんすか?」
尋ねるヘンリーに振り向くと、勇者は端的に言った。
「もう行くから」
「えっ? いや、行くってどこに–––––って、早!?」
ヘンリーが気づいたときには、そこにはせの姿はなくなっていた。
なにやら急いでいる様子である。
「…ま、考えても仕方ないかー」
しばし唖然としていたヘンリーだったが、気を取り直して目の前の戦に集中することにした。
カンニガムの打ち立てたその作戦が発動するときは近づいている。
砦を、都市を、緊張が覆う。
そんなドバノンとエジンバラに、ウーリエ率いる神国軍が迫っていた。
冬季大攻勢のモデルは…無いですね。冬に出陣して、雪の中で戦って、勝手に戦線を伸ばして、あげく物資欠乏に陥り同士討ち、反撃にあって散り散りとなり各個撃破され、生還率ほぼ0%とか、そんな戦いがあったら無能どころじゃすみません。
ナポレオンのロシア侵攻も、第三帝国のバルバロッサ作戦も、8月までにモスクワを攻め落とすことを目標としたもので冬に出陣して雪中進軍をしたわけではありませんので。
ヨブトリカ軍国としても、これは負けて当然の戦であり、むしろ参加した軍勢の戦死者が増えれば増えるほどに好都合というものでしたから。
そんな戦があったとしたら、参加した兵士があまりにもかわいそうです。架空とはいえここまで無益な戦いは無いと自分は思います。




