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46:救世主召喚

新章になります。

ちなみにこの小説はフィクションですからね!

今更ですが……

「今日から水上みなかみくんの担当の方で礼子れいこさん60歳ね」


「糖尿病ですか……食前の血糖値が300いってますね」


「この方、発症してから長いから血管脆いし、点滴と注射難しいと思うけど頑張ってね」


「あ、はい」


 水上 道みなかみわたるは実習とレポートに追われる看護学生2年生であった。看護学生の病院実習は内科、外科など一通り研修しなければならない。


(はぁ、精神科はおじいちゃんと花札やって1日が終わったのに、内科は激務だな……)


 道が看護の道に進んだのは、学生時代に入院した病棟で、男性看護師の松方さんと、出会ったのがきっかけだった。




★ ★ ★




「おいおい、高校生で靭帯プッチンする程追い込むとか、どんだけドエムなんだよ」


 第一印象はかなり感じ悪い物だった。試合前日にやらかして、落ち込んでいる人間に対しての言葉ではなかったが、接する機会が増える度に印象も変わっていき、煩わしかったフレンドリーな態度を受け入れしまっていた。


「あの看護師は止めておけ、飲み会の度に男を食い散らかしてるぞ」


「まじっすか! そんな風には見えないっすけどね」


「酒が入ると変わるんだよ。今度飲み行くか?」


「いや、自分未成年ですけど……」


「でも飲むんだろ?」


「飲んだことないですよ」


「マジかよ! 真面目だな」


 術後のリハビリの際にもトレーナーさんと一緒にゲームしてたりと、楽しい入院生活を送る事ができた。


「道! 罠仕掛けろ。 閃光何回失敗すんだよ。はまったら眠らせるから爆弾作っとけよ」


「は、はいぃぃ」


 

 ぴんぽんぱんぽーん……業務放送、松方さん至急3階のナースステーションまで来て下さい。


「やべっ、ばばぁが呼んでら! またな」


 真面目な性格だった道にとって、松方のようなおちゃらけた性格に引かれていった。


 


 道はリハビリの甲斐あって、まだ松葉杖は必要だが歩き回る事ができた。これだけ動けるのだから退院してもよさそうだが、膝のロッキングが今一良くならない。まともに歩けるまで3ヶ月、スポーツが出来るまでに6ヶ月のリハビリを要すると医師から説明を受けた。今は夏休み中だし、親もスポーツ保険が降りるからそのまま入院してなさいと言われる始末。あのホクホク顔が忘れられない。俺の保険で新車買おうとか聞こえてるぞ!


 くそ、大人は汚い。子供の稼いだ金を利用するとは……保険料は親持ちだったからしょうがない、だがなんだろう、この腹の虫が収まらないこの感じ! 夏休みは潰れるし、病院食は不味いし、酷い夏休みになったな。


 暇潰しに屋上までてくてく登って行くと、松方さんが缶コーヒー片手にタバコ吸っている。


「松方さんじゃないっすか」


「なんじゃ道。暇だからってウロウロすんな」


「看護師ってどうですか?」


「なんだいきなり。まぁ、つれーよ。休憩は無いようなもんだし、夜勤の仮眠だってねぇ。ナースコールが鳴れば行かないとだし、呆けた老人には殴られる。病院によっては残業が付かないくそ管理な所もある。ただ資格は鉄壁だ。説明会で条件が良いと思って入れば、そんなの嘘っぱち。普通のリーマンなら泣き寝入りだが、看護師は直ぐに転職出来る。どこも人がいないからな。みんな管理の良い病院に入りたがる。途中から愚痴が入っちまったがいい事もある。患者さんから感謝される事は悪くないぞ。金も良いしな! そこら辺の大卒の初任給より全然いいからな。まぁ、メンタルと体力すり減らす仕事だ」


「松方さん見てると辛そうには見えませんよ」


「俺は抜くのが上手いんだよ。まぁ事故でいきなり歩けませんって患者が卑屈になって、どう接するか悩む事もあるけどな。知識も大事だけど、コミュニケーションもそれと同様に大事なんだ。コミュ力ないと専門学校でボッチ確定だぞ。未だにクラスは女ばっかりだからな。2人組で実習するときなんか、女と気軽に話せるようじゃなきゃ辛いぜ」


「な、なるほど……松方さんみたいにチャラくないと駄目なんですね!」


「チャラくねーよ!!」



★ ★ ★




「はぁ、松方さんもこんな過激な実習やったのか……」


 1通り日誌とレポートを纏めた道は、翌日の実習に備えて寝る事にした。




――――――――助けて下さい……



――――――――どうかお助け下さい……



「なんだ……夢なのか?」


 道の脳みそに叩き込まれる少女の声は、何度も繰り返し聞こえて来たが、変な夢だったなという軽い感覚で納得させていた。


 道は実習先の病院に向かい、ナースステーションにいくと、先日色々と面倒を見てくれた女性の看護師さんが近付いてきた。


「水上さんの担当になった礼子さん。明朝に心停止しちゃって亡くなったの。代わりの担当の患者さん紹介するね」



 道は衝撃だった。病院だし人が死ぬ現場なのだから当然といえば当然なのだが、昨日まで明るく話してた礼子さんが突然死んでしまうと流石にショックだったが、看護師さんも死に慣れているのか、淡々と仕事の準備や作業をこなしている。


「ベット空いたと思ったら、今救急で入院患者入りそうよ」


「え~、もう入るの~」


「〇〇老人施設かららしいよ」


「うげ、重度の認知症患者で介護レベル高い所じゃんか」



 

(松方さんもこういう経験を沢山してたんだろうな……)


 その日も道は業務をこなし、日誌、レポートを纏め一日が終わった。


 

(はぁ、今日も疲れたな……明日もがんばろ! 俺も松方さんみたいな、人を励ませられる看護師になりたい。)




――――――――助けて下さい……


――――――――どうかお助け下さい……



(なんだ、またか……)


 道は聞き覚えのある声に、昨日見た夢をまた見ているのだと気付いた。


(なんだ、外国の街か? えらく人がてんやわんやしてるな……)


(ここは病院? 教会みたいなところだな。うぁ、人が沢山倒れてる。戦争でもあったのかな……)


 道は場面が切り替わっていく映像を見て、純粋な感想を思っていた。



(デカイ神殿だな……ギリシャとかにありそうなパルテノン神殿みたいだな。うん? 可愛い子がお祈りしてる。めっちゃかわええ!)


「めっちゃかわええ!」


「ひゃぁあ!」


「え!?」


「はっ! 救世主様!!」


「ええぇええ!?」


(なんだこの現実感ありまくりな映像。音も凄いリアル)


「ど、どうなってるの?」


「失礼しました。我々の身がってなお願いの為に来ていただいて。しかし、我国は、未知の流行り病で滅亡寸前なのです! どうかお救い下さい」


「君は夢のなかで助けを求めていたいた子かな? 僕はどうなったんだろうか」


「はい、私が召喚の儀を使い、貴方を召喚させました」


「えぇええぇえぇぇえ!」



最近蚊にさされたら、やべ、デング熱かかったわ~って冗談言ってますが、1週間激しい頭痛に襲われるそうですね。自分は偏頭痛持ちなので、頭痛とは友達です。


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