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魔王軍と一緒  魔王の魂と合体!?魔力無限でやりたい放題!  作者: おばっち
1章:セルクリッド編
41/74

41:最終形態

熱いですね~熱中症にご注意を!

こまめな水分補給大事です。

 投石器を破壊され思考が一瞬停止していた警備兵達にさらなる衝撃が目に映った。一人の若い少年が何処からともなく竜種のスケルトンボーンドラゴンと衝突した。普通の人の目では飛んできた何かが竜種のスケルトンボーンドラゴンを弾き飛ばした様にしか見えないだろう。ただ、今まで竜種のスケルトンボーンドラゴンがいた場所に、一人の少年が一振りの刀を片手に立っていた事で、事態がやっと把握出来た者が多いだろう。


 少年は追い討ちにと竜種のスケルトンボーンドラゴンやアンデッドに炎弾を放ち、次々と火柱が上がる中、それでも怯む事無く進撃を続ける竜種のスケルトンボーンドラゴンは少年の炎弾を物ともせずに城壁を登り始める。


「っち、魔法への耐性が強いのか?」


 竜種のスケルトンボーンドラゴンは所々破損が見られるが、決定的ものとは成り得ていない。そして、竜種のスケルトンボーンドラゴンは近くにいる兵士やアンデッドを飲み込み自らの身体を再生していく。奴の身体の中は闇に覆われていて、骨組み意外は良く分からないが、口から入れられた者は身体のなかで吸収されているようだった。髑髏の瞳は赤く光っており、奥の魔術結晶がある事が窺える。


 竜種のスケルトンボーンドラゴンは少年を好敵手と判断したのか、脇目も振らず少年へ向かい城壁を駆け上る。今まで何百人となぎ払ってきた竜種のスケルトンボーンドラゴンの腕が伸び、少年を捉える。周りの兵達は一瞬息を呑んだが、甲高い金属音と共に少年の刀によって弾かれていた。


「マジかよ! 人が10人纏めてなぎ払われる威力なのに!」


 驚くのも無理は無い。少年は初撃から続く竜種のスケルトンボーンドラゴンの攻撃を著しく弾き返している。


竜種のスケルトンボーンドラゴンは彼に任せよう! 我々は我々に出来ることを行なうのだ!! 全兵は城壁を攀じ登って来るアンデッドを撃退せよ」


 我に返った警備隊長のブリッツは直ぐに部下に檄と指示を飛ばす。今まで立ち竦んでいた兵達がみなアンデッド撃退に向かっていった。


 ブリッツは少年の方へ目を向けると、竜種のスケルトンボーンドラゴンとの弾き合いが続き、両者突破口が見つからないのか互角のままである。


「グリフォン!!」


 上空で弓を撃つ翼の生えた青年がその声に反応する。彼は弓こそ持っているが、矢は持っていなかった。だが、彼が弦を引くとそこには白く光る一筋の矢が生まれる。放たれた矢は複数に分裂し、竜種のスケルトンボーンドラゴンの身体に突き刺さる。光の矢は竜種のスケルトンボーンドラゴンの動きを封じるように骨と骨の隙間に入り込んでから地面に突き刺さった。


「そこで大人しく待ってろ!」


 少年は右拳に魔力を溜め始めた。それも考えられないほどの魔力である。彼の周辺では彼の魔力に同調するように地面がカタカタと振るえ始める程だった。その全ての魔力は炎となり少年の拳に纏わりついた。


「くらえぇ!」


 竜種のスケルトンボーンドラゴンの髑髏は少年から繰り出された爆焔の拳によって吹っ飛ばされ、魔術結晶は少年の一太刀によって打ち砕かれた。魔術結晶の失った竜種のスケルトンボーンドラゴンは、バラバラと骨が崩れ落ち、壊れた玩具のようにガクガクと動きを止めた。


その砕かれた魔術結晶はというと、吸い込まれるように魔剣爪紅ツマクレナイに吸収されていった。脈を打つように刀が振動するかと思えばたちまち大人しくなった。


「なんか最近がっついてるなお前」


 手に入れてからは血液や少量の魔力を吸っているだけだった魔剣爪紅ツマクレナイは見境無く触れた物の液体や魔力を吸い尽くしている。最早扱いが危険物以上だ。陸は魔力が無くなる事は無い為、吸われ過ぎて死ぬことは無いが、恐らく陸意外に扱える者はいないだろう。


「さて、大体片が付いてきてるな。こっちににも集まってきてるしもう大丈夫じゃないか? グリフォン」


「そうでございましょう。我々ともなればこのような腐れ集団など、そもそも陸様の手を煩わす事もございません」


「いやいや、俺もまだまだ経験が足りないよ。グリフォンいなかったら時間掛かってたと思うわ」


「陸様、従者の力は全て陸様の物。好きに使われて結構でございます」


「お、おう(なんだこの忠誠心……みんなそうだが、忠義が半端無いな)」


「どうやらアンデッド共も諦めたか、引き始めましたぞ!」


「引いた!? (外には国軍の魔法使い部隊がいるのに何処に引くんだ?)」


 今まで休む事無く襲い掛かってきたアンデッドが180度転回し引き始めた。城壁を守る兵士達も安堵感が溢れ、今まで緊張して張り詰めていた物が一気に崩れたのか、その場で座り込み放心する兵士が続出した。だが、陸はアンデッドが集まる場所が一箇所に集中している事に気が付く。ここで叩かなければ不味いと思った陸は、早急に魔力を溜めて巨大な炎弾を放出した。





★★★





「最後に邪魔をしてきたな、少年……」


「やはりベルゼブブ様の仇に刃を向けなければなりませんでしたわね」


「ふむ。下級アンデッドが束になってもに足止めすらならんか」


「では一緒に参りましょう。私の最後の秘儀を御覧にいれましょう」


「本当に良いのだな?」


「構いませんわ。ベルゼブブ様と一緒になれるのですもの」


「そうか。ならばいざ逝かん」


「はい!」



 テリスは集まってきたアンデッド達を次々と身体の中に取り込み始めた。元々彼女の魔道具である空間魔法の属性を持つローブにしまいこんでいたのだが、今は彼女自体に取り込んでいる。そして入っていくたびにボコボコと身体が大きくなり始め、身体も黒く変色し、顔も崩れるように骨格が変化していった。


「べる゛ぜぶぶざま゛ぁあああ゛あ゛あ゛」


「テリスよ! お主の覚悟もなかなかよの。っとその前に!」


 ベルゼブブは持っていた槍に魔力を込めて投擲する。陸とベルゼブブとの中間距離にて炎弾は爆発。陸の放った炎弾はベルゼブブの放った槍によって迎撃された。


「最後の足掻きを邪魔するものでない。少年!」




★★★




「っち」


「でかい! 全てのアンデッドを吸収しているのか……?」


「全員集めて迎撃する! くそ、最後に巨大化するとは……再生能力付きだと厄介だな(なんかの特撮ヒーローみたいな展開じゃねーか)」


「は! 直ぐに集めて参ります」


「巨大化したばかりで直ぐには動かないだろう。此方も体勢を立て直す(肉厚そうだな……見るからに厄介そうだ。これが終わったら城でのんびりしたい……)」


 巨大アンデッドの瞳は陸から離れることは無く、ひたすら陸の様子を窺うように視線を逸らさないでいる。


「俺に何か恨みでもあるのかね……勘弁してよ~」

敵の巨大化は戦隊物ではお約束ですね。

SFなら合体ロボットでも出したいところです。

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