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魔王軍と一緒  魔王の魂と合体!?魔力無限でやりたい放題!  作者: おばっち
1章:セルクリッド編
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39:魔王軍襲来2

「ゾンビの皆様~本日の営業時間は終了となりました~「ぶおおおおおおお」帰れ!」


 陸とフェブルはそのまま中央の城を目指し、襲ってくるアンデッドを倒しながら突き進む。陸の持つ魔剣爪紅(ツマクレナイ)で切り付けられたアンデッドは一瞬で白骨化となってその場で不気味なオブジェとなっている。最近では血どころか水分まで吸い付いている。


 陸が魔剣爪紅(ツマクレナイ)にエンティティを入れようとしたところ、皆口々に入口が閉じているから入れないという。ミチコが言うには先客が入っておりドアを硬く閉めて引き篭もっているとのこと。魔剣に吸血能力があったことから、ヒルなどの吸血昆虫或はヴァンパイアなどの吸血魔族のエンティティではないかとの話だ。最初は入ったものの出れなくなってしまったエンティティだが今の魔剣爪紅(ツマクレナイ)には魔力が満ちている。出てこれるのだが引き篭もっているらしい。


「恥ずかしがって出て来れないのかな~」


「居心地が良くて出たくないのでありましょう。陸様の魔力は質が違いますゆえ」


 フェブルの腕にはアムレットをはめている。水属性のエンティティ「アオイ」が入っており、使用魔力の削減や水・氷結魔法の強化。治療スピードの上昇など補助系の魔法が得意なフェブルにはもってこいな装備である。もともとフェブルは武器が扱えないので携帯しやすいアムレットは便利である。


「にしても皆ドンパチやってるな~心強いよ」


「魔物など、戦う事が娯楽ですから。彼らも本望でしょう」


「命がけの娯楽って嫌だな……スポーツとかないんだろうな」


「スポーツですか?」


「そそ、走るスピードを競ったり、的を当ててポイントで競ったり。サッカーとかラグビーだと下手すると死人でそうだな。ちょっと見てみたいけど」


 魔王級同士がスクラムかけて押し合っているのを想像するとにやけてしまう陸だったが、陸の周辺が白骨死体だらけという現実に引きつった顔に変わった。




★★★




 柴犬のような尖った耳をした胸まで垂れるロングでブロンズヘアーな小柄な少女と、赤髪の2ブロックの無い控えめなソフトモヒカンで身長は高めである二人は、九尾とコカトリスである。


「ねぇ、私アンデッドと相性悪いから私の分まで頑張ってちょうだいなぁ」


「若様から預かったもんがあんだろう」


「こんなに可愛い女の子が頼んでいるのに釣れないわね……」


「化けの皮の中身を知ってるからな」


「失礼しちゃうわ……ほら鶏、右から来たわよ」


「女狐は左だな」


「なんで鶏の指図を受けなきゃいけないよの! 私に命令して良いのは私が愛した男、陸様だけよ!!」


「その若様がアンデッド討伐の命を出してるんだろうが……お前は好きにやれよ」


「ええそうするわ!」


 元々九尾は人など主に男や雄の前で美人な姿で魅了し幻惑に貶めるという能力が代表的ではあるが、他には闇魔法を中心とした幻術や状態異常系スペルなど。対人戦では有効だが今回はアンデッド。例え美人な人間に化けても襲われるだけだろう。


 だが、九尾に愛された者は一生九尾に守られる伝説もある。古い伝説では数十万の軍隊に1人立ち向かい、殺されても尚殺生石という石になって有毒ガスを噴出し続けるなど、その思いは想像も超えるのである。


 九尾が手に持っているのは鉄扇子である。骨組みが鉄で出来ており、本来は刃物を持っていけない場所、例えば政敵との会食や会議なので護身用として持ってい行く事が多かったのだが、今九尾が手にしている鉄扇子には重力魔法が得意なエンティティ「服部ハットリ」が入っている為、殺戮兵器と化している。城庭で寝転がっているタンニール程ではないが指定した場所の重力を変化させ捻り潰すことも容易い。


「なんと醜い物達でしょう……そして死体を弄ぶ術者も趣味が悪いですわね」


 身の回りのアンデッドを粗方片付け閉じていた鉄扇子を広げパタパタと扇ぐとブロンドの長髪が横に靡く。エンティティの服部とも同じ闇属性なので相性も良い。


ふとコカトリスの方を見ると戦槌でゾンビを叩き潰している。恐らく土属性のエンティティでも憑依しているのだろう。土がハンマーに引っ付き強化され、巨大なウォーハンマーになっている。あれではアンデッドも成す術がないだろう。


「はぁ、なんで男ってあんな野蛮なのかしら……」


 九尾が後ろを振り返ると握りこぶし程だろうか、小さな子蜘蛛が道の隅に蠢いている。唯の蜘蛛かしらなどと思っていると小蜘蛛が此方に一斉に走り出した。


「服部!!」


 だが動きが速く今まで動きが鈍いアンデッドに慣れてしまっていたため、補足し辛くなってしまっている。ある程度近付いた子蜘蛛達は足を止め口から炎を吐き出した。


「っち!服部奥の手!!」


 閉じた鉄扇子を前に向けて重力魔法を発動した。すると今まで火を噴いていた子蜘蛛達は勢い良く横の壁に激突し肉片が飛び散った。これはこの星が与える子蜘蛛の引力の方向を変化させたのだ。地面に居ながら上空から落下する感覚になるだろう。落下スピードは初期段階では速度が出ないため、引力その物にも魔力を加えて力を増している。だがこの術は使用する魔力も大きい。星の巨大な引力に逆らうのだから相当だろう。


「はぁ、はぁ、陸様にいざって時の為に教えてもらった術が役に立ちましたわね、服部!」


 九尾はほっと胸を撫で下ろし、巨大ハンマーを振り回しているコカトリス方を見るが、ブンブン振り回して苦戦する気配すらない。心配した我が身にイラつきながらも辺りを見渡すと、路地の奥に女性が倒れていた。


「あら、逃げ遅れた人かしら……」


 九尾はすぐさま女性に近付き様子を窺った。20代の女性だろうか、髪は背中よりも長く顔は俯いていて分からない。背中に手当て、生存を確認瞬間女の顔が突如変化した。目は真ん丸大きく、顎が二つに裂け牙のように前に出し、皮膚は黒い毛で覆われた。


「ひっ!」


 九尾が咄嗟に鉄扇子を前に出そうとした瞬間、蜘蛛女の口から吐き出された糸に絡め取られ、立ったまま身動きが取れない状態となった。そして、糸は壁や屋根に伸びて九尾は宙吊りにされ、蜘蛛の巣に掛かった蝶の様になってしまった。


「動けんっ……」


 もがけばもがくほど糸が絡みつき、余計に動けなっていった。


「無駄だぁ……魔法も仕えまいて、その糸は魔力の波形を狂わすのだ……ケケケ」


「よ、寄るな! きゃぁああ」


 九尾の細い足の内股を、蜘蛛女の皮膚を覆う無数の体毛が擦り付ける。二つの牙の様な顎の奥から、唾液の様な汁が滲み出ている。


「先ずは足から食らって行くとするかね……生きたまま食らうのが楽しみでね! いい悲鳴を聞かせてみな」


「いやぁあああああ!」


 目を閉じて絶叫する九尾。来るべく痛みを覚悟しながらも、陸様のお役に立てなかった悔しさが滲み出る。だが、急に気配が無くなったので、目を開けてみると蜘蛛女は灰色に変色し、その場で固まっていた。


「大丈夫か?」


 コカトリスの石化能力である。見たもの触れたものを石化してしまう能力を持つコカトリスは、九尾の悲鳴を聞きつけ遠目から蜘蛛女を石化させた。


「あ、ありがとう」


 涙目な九尾は恥ずかしそうに顔を背けながらコカトリスに一応の謝辞を言うがどことなくぎこちない。コカトリスも特に何も言わず淡々と糸を外していった。


「行けそうか!?」


「無論よ!! ちょっと油断しただけなんだから……」


「陸様はこういう事態を想定して二人一組にさせている。俺がヘマしたら九尾の手も借りる事になるだろう」


「そ、そうね! これは貸しね!! 後で返すわ。さ、行きましょ」


 二人はそんな不器用な会話を繰り返すと城へ向けて歩き出した。二人の間隔は最初と変わらないが心の距離は少し縮まったのかもしれない。 

九尾さんにお約束な展開を演出して頂きました。

蜘蛛女のモデルは絡新婦じょろうぐもという妖怪です。


最近は書く事よりも調べ物の方が時間掛かってます。コカトリスとバジリスクって同一とは知りませんでした。武器の図鑑とか神話の図鑑とか欲しくなってきましたね笑。

殺生石は栃木の日光にあるみたいですね。日光といったら、いろは坂が良い思い出ですね。イニシャルDにも出てくるんですが、ゆっくり下っていきましたが車酔い+腰痛を引き起こしました。その後温泉に浸かったのがいけなかったのでしょうね。炎症を起こしている腰を温めて悪化という最悪の旅行になりました笑。

ヘルニアは冷やすと駄目っていうし、筋肉疲労は温めろって言うし、腰は分からん。

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