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魔王軍と一緒  魔王の魂と合体!?魔力無限でやりたい放題!  作者: おばっち
1章:セルクリッド編
32/74

32:魔王城ダンジョン攻略戦

いろいろ間違いがあってすいません。

フェブル死亡事件は嫌な事件でした。



 エミリーは武者震いをしながら馬を飛ばす。


 セルクリッド国民が寝静まった頃、メリア・ベリオットと少女を救出する為の先遣隊が出発した。

 先遣隊は5名。勇者エミリー、Aランク冒険者、上級治療師、上級魔術師、陸軍特殊部隊など幅広く人選された今回初の試みである。

 魔王の作ったダンジョンである為、様々な状況を打破するべく、各部門のエキスパートが選出された。


 Aランク冒険者のデッドは、電光の槍と呼ばれ、槍術に優れており、あまりの槍の速さに、槍筋を見抜けた者は誰もいない。

 勇者エミリーと並び、前衛を努める。


 上級の治療師と魔術師は双子の姉妹で、幼い顔つきのリーナとローザ。

 若い二人だが、魔法の腕は、魔法省のお墨付きで、魔術師、治療師の上級認定最年少記録保持者である。今回抜擢されたきっかけが、お互いの魔力を譲渡し合えるというスキルを持っている為である。

 

 極稀に、双子で生まれてくる子供において、魔力パターンが同じという現象が起こる。

 魔力パターンとは魔力の波形であり、人間や魔族は、生まれた時に魔力の波形パターンが決まる。

 例えば、波が大きく緩やかならば、水魔法が得意となり、小刻みで、間隔が狭い波ならば火属性が得意となる。

 苦手な魔法も拾得も可能だが、パターンが異なる為、消費魔力が得意魔力と比べて遙かに多きい。


 この双子の姉妹は、使う魔法は違えども、魔力の波形パターンが同じな為、姉のリーナの魔力が無くなったとしても、妹のローザが姉のリーナに触れて、魔力を放出すれば魔法が発動してしまうのだ。

 

 自分の魔力パターンを弄るというのも不可能ではないが、弄ったパターンを相手と同じにするというのは不可能に近い。

 相手のパターン見えない上、僅かなズレもなく、常時同じパターンなど、人的には不可能である。


 この双子の魔力譲渡は、幅広い戦略を生み出し、様々な危機的状況でも、突破できると期待された。


 最後に、陸軍特殊部隊のカーシス。


 彼らは、スタミナの鬼である。


 様々な過酷な訓練は200kmマラソン、3日間飲まず食わず、泥水を啜りながらの強制行軍や、言葉が通じない場所での情報収集など、粘り強いメンタルに、強靭な肉体。

 カーシスは陸軍特殊部隊の隊長でもあり、現場の状況において、遊撃を行う。

 尚、今回のパーティー置いてのリーダーはエミリーである為、それに従うまでである。

 

 現在彼らは城のダンジョンに難なく潜入し、上への階段を捜索し続けている。襲い掛かる魔物は珍しいものが多いが、珍しいだけでそこまで脅威ではない。ほぼ前衛の二人だけで片付けてしまっていた。


「魔法を使う二人は、出来るだけ温存したい。囲まれたときや、致命傷を負ったときに生存率があがるからな。出来るだけ前衛二人で粘って行く。カーシスには二人の護衛をお願いしたい。」


 勇者エミリーがダンジョン突入時に全員に伝えた作戦であった。1階から5階まで、二人だけで突っ走っているのだが、全く疲れが見えず、準備運動のようだった。

 

 だが、8階まで上がった所で、強敵が現れた。


 目の前に現れたのは、身体から轟々と炎が燃え上がるサラマンダーだった。

 エミリーも冒険者時代、火山の近くでよく目にはしていたが、大きさが桁違いである。通路一杯に身体で塞いでいるそれは、マグマの壁だった。


「ブレスが来るぞ! ローザ、障壁頼む!」


「はい!」


 マグマの壁、もとい巨大サラマンダーから放たれた炎のブレスは、パーティー全体を包み込み、灼熱の業火と化した。


「なんていう威力。冗談じゃない」


「リーナ、私も手伝うわ」


 魔力譲渡は、使用者に魔力を譲渡する他、使用者の魔力放出を自分の魔力で引き上げる事ができる。高性能な魔法使いでありながら、タンクでもあり、ブースターでもある彼女らは重宝される理由でもある。


「デッド、カーシス、ブレスの切れ際を叩くわ」


「よし!」


「任せろ」


 まもなくして、ブレスが切れ掛かる。

 巨大サラマンダーも今のブレスで仕留められなかったのがショックだったのか、息切れで酸欠を起こしたのか、尻込みを始めた。

 

 そこを逃すAランカーではない。


 魔法さえも切り裂くエミリーの剣術は、物体を持たない相手でも絶つことができる剣技である。

 故に、身体が炎だろうが、マグマだろうがエミリーにとっては、切れる以外何者でもない。


「はぁあああああ!」


 精神を統一した太刀筋は、サラマンダーのマグマの腹を引き裂いた。

 マグマの層は完全に取り払われ、肉体が露わになっている。


 そこに一筋の閃光。


 デッドの槍が突き刺した。


 カーシスも流れる様に続く。


「GUGABAAAAAAAAAOOOOOOO」


 狭い通路でのブレス攻撃で有利を取った後、接近戦に持ち込まれ身動きの取り辛い通路では完全に不利であった。

 後ろに下がるにも移動し辛い。

 手負いになった今、前に突っ込むしかサラマンダーには考えはなかった。

 大きく身体を揺らし、身体に付いたマグマを飛ばしながら突進してくる。

 例えるなら燃え盛る2tトラックだろう。

 エミリー達を踏み潰さんと押し寄せる。


「GYAAAAAGAAAAAAA」


 絶叫がダンジョン内に反響する。


 サラマンダーの両足、両腕には巨大な氷が突き刺さり、地面へと貫通していた。

 まさに釘を打ち付けられたサラマンダーは身動きが取れない。


 その間エミリーが飛んだ。


 滞空時間は長く感じられた。


 ゆっくりと時間が流れる。


「いけぇ!」


「やっちまいな!」


「「いっけー!!」」


「GYAAAAWWAAAAAA」


「うおぉおおおおおおおお!」


 エミリーの気迫の剣は、サラマンダーの太い首を飛ばした。


 

★★★



 エミリー達は、9階の少し開けた場所で少し休憩をした後、10階へ続く階段を登り歩いていた。

 

 登る度に汗が滴っている。


 まるで、一段上がる度に、一度室内温度が上がるかの様だった。

 訓練されたカーシスや、火山への経験があるエミリー、デッドは耐えられてはいるが、双子の姉妹は耐えることが困難な為、氷結魔法により、周囲の温度を下げることにした。

 あまり魔力の消費は避けたいのだが、キーマンの二人がダウンしては元も子も無い。


「おい、やっと階段の出口が見えてきたぜ・・・」


「よし、気を引き締めるぞ」


 最後のエミリーの言葉を最後に、パーティーメンバーはしばらく一言も喋れなかった。

 全員が目撃した目の前に広がる光景は、絶望的なものだった。

 先ほどまで狭く、洞窟で迷路のようなダンジョンだったのだが、10階に到達した瞬間、開けたエリアには溶岩が溢れ、火山からは際限なくマグマが吹き荒れる。

 先ほど苦労して討伐したサラマンダーが、わさわさと群れをなして生活している。

 そして、何よりも絶望的なのが、上空に赤い火の粉を撒き散らしながら滑空する炎竜の姿だった。


「な・・・あ・・・・」


「これは・・・・・なんてことだ」


 

空は何で青いのか。

難しい説明を簡単にするのはやっぱり難しいですね。

魔力の波形は色をヒントにしました。

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