第六話
3/16 変な感じだったので初めの方を変えました。
「……で、なんでこの国の王子と姫君がそんな恰好をしているんだ!!」
ロイドさんは苦渋の表情で下を向き。
両手で拳を作ってテーブルを叩かれました。
その気持ち、痛いほどよくわかります……。
ですが。
ロイドさんに落ち着いてほしくて、私は少し深呼吸をして、口元を緩めます。
私まで強張った顔をしていては、ロイドさんはきっと心配されます。
そう言う方なのです、ロイドさんは……。
「俺に超似合うから!」
………………。
………………………。
私の、『ここに来るためです』という言葉。
それは大量の詰め物が詰まった胸を張り、堂々と宣言した兄の声に掻き消えた…………様な気がしました……。
…………気のせいですよね……?
この重たい沈黙とか。
お兄様が【呆れ】の表情で見られている、とか。
そんなの……。
そんなの、私の気のせいですよね……?
もう分からないのでレティに――――
そう思い、レティの方を向きます。
すると。
ロイドさんが眉間にきつくしわを寄せて、深いため息を。
……やっぱりかっこいいなぁ……。
って!
私ったら何を……!!
「ロイド、もう一度言う。もう手遅れだ」
「えぇ、兄さんが言うように、ルー兄はもう人間失格ね」
ウィルロットさんはそういって首を振って、レティは呆れ顔のまま紅茶を飲んでいます。
……レティったら、もう。
あまのじゃくなんだから…………。
なんて思っていたら、レティに横目で睨まれてしまいました。
もう照れやさんなんだから……。
つい笑みが浮かんでしまって、レティの目線がキツくなりました。
これ以上微笑ましく思うと後で何をされるか分からないので、止めにしましょうと考えていると、視線を感じたので、そちらに目を向けると……ロイドさんと目が合いました……!
ど、どうしましょう!
恥ずかしすぎて直視できません!!
とっさに目を伏せました。
「アンも大変だな。こんなのが実の兄だなんて」
気遣うような声のロイドさん。
分かってくださってとても嬉しいです!
ですが……。
「お兄様は……いつもこうなので、もう慣れてしました」
だって、今日も止めれなかったのですから……。
そう意味を込め、ごまかすように微笑みました。
すると、やはりと言いますか……お兄様を除いた皆さん。
苦笑いを浮かべています。
「……なんだよ皆して! 俺は手遅れでも人間失格でもない、それに俺ほど立派な人間など他にはいない!」
力説するお兄様。
私はそんな兄に、苦笑いを浮かべることしかできませんでした……。
「こんな兄で本当にすみません」
お兄様の代わりに、死んだ魚のような目をしている皆さんに謝罪します。
皆さんは死んだ魚の目を止め、苦笑。
そんな中、お兄様はと言うと……。
「いいか。第一この国、いや世界に俺ほど――」
と。
何やら力説していました……。
私は見ても聞いてもいないことにしました。
その方が良いのです。
それに。
こうなってしまったお兄様は、誰にも止められないのですから……。
お久しぶりです。
続きが出来たらまた出します。