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Dark Nightーダークナイトー  作者: あろぅん
闇狩人(ダークハンター)編
8/28

第七夜 傍観と達観

久々の更新!

狩人業の始まり。

小狐ここが去った後、しばらくして蒼蓮そうれんが店内に入って来た。

「 お。もう来てたのか。 ?何かあったのか??」

蒼蓮そうれんがモカと夜月よげつを交互に見る。

「!蒼蓮そうれんさん……。」

夜月よげつがホッとしたような表情になる。

「おや、随分ゆっくりなんですね。 今しがた東条院とうじょういんさんがいらしてたんですよ。 」

あぁ、と言ったように蒼蓮そうれんうなづく。

「もう会ったのか。 行き違いになったか…。ん?どうしたんだ、夜月よげつ

そう言うと、途端に夜月よげつの頭をくしゃっと撫でた。

「!?!な、なにするんですか!急に!!」

夜月よげつが頭を押さえ狼狽える。

「いや、なんとなく。な。」

はは、と笑い夜月よげつから手をどける。

「なんとなくってなんですか!?全くもう。」

夜月よげつが顔を真っ赤にさせる。

…急に撫でるなんて勘が良いのか悪いのか。しかもなんとなくって。

視線を感じて前を見ると、モカがこちらをにやにやしながら見ていた。

「 いちゃつくのは構いませんが程々にして下さいよ 」

「 な!?いちゃついてなんていません! 」

夜月よげつが声を荒げるとモカは何かを察したように、はいはいと軽く受け流した。

肝心の蒼蓮そうれんは不思議そうな表情を浮かべている。

「 ところで木枯こがらしさん。黒羽こくうの調子はどうですか?相性良さそうですかね 」

「 まだ一回しか使ってないからわからないんですよね。」

「 あのダークに襲われた時だけだからな〜。」

と、蒼蓮そうれんが付け加えた。

「 ふ〜ん。あ。」

何か閃いたと言うようにモカは柏手を打った。

「 なら、こういうのはどうですか? 初の任務で使い心地試してみて下さいよ。ちょうどおあつらえ向きな任務があるので。」

『?』

夜月よげつ蒼蓮そうれんで顔を見合わせた。

数時間後…


お互い家で夕飯を済ませ、もう一度集合することになった。



「前にも話したと思うが、ダーク達は基本的に夜にしか出て来ない。

ヤツらの原動力は人の負の心だからな。幽霊が出る時間も圧倒的に夜が多いだろう? 」

「い、いやな言い方しないで下さいよもう……」

夜月よげつが身震いする。

「で」

蒼蓮そうれんが一度切り、後ろを見る。

「なんでお前がいるんだ?」

そこにいる人物に話し掛ける。

「おや、私が居たら先行く未来のあるお二人のお邪魔ですか。それは悪いことをしましたね、蒼蓮そうれん

店にいた時と変わらずスーツ姿のモカは茶化すように言った。

とたん、夜月よげつの顔が赤くなったのは言うまでもない。

「いや、別に俺は構わないが……。どういう風の吹き回しだ?お前が最前線に出ようなんて。」

「大丈夫ですよ。ちゃんとお店も閉めて来ましたから」

にこやかにモカが答える。

「そうじゃなくて……」

呆れたように蒼蓮そうれんが頭を覆う。

「あの……モカさんが最前線に立つのって珍しいんですか?」

そこでモカが夜月に詰め寄った。

「へ!?あ、あの?!」

急に近づかれ驚く夜月よげつにモカは、

砂石さざらしでお願いします。」

と言った。しかも笑顔だが目が笑ってない。

固まる夜月よげつにモカは

「私は下の名前で呼ぶ程の人間ではないですからねー。」

と答えた。

おい、と蒼蓮そうれんは呆れつつ、

「あー。ちょっとコイツの場合色々訳ありでな」

「そもそも私は今回手を出しませんから好きにして下さいな。傍観者ぼうかんしゃだと思ってもらって結構です」

「……そういうことか。」

蒼蓮そうれんは納得したような様子だ。


と、夜月よげつ夕闇色ゆうやみいろの眼が一瞬光った。

「!……あれ。この感覚前にも……。」

「!!来るぞ!」

そう言い放った瞬間に路地から出てきたのは真っ黒な八つの足を持つ黒い生き物。しかも身体はマンションの二階だてに相当する大きさだ。

その体は普通の生き物ではないことを示すようにようにただ黒い不純物の泥で作った下手物と言った印象だ。

その生物がたった今建物から這い出て来たのだ。

言うなれば……


「うげっ。でかいタランチュラ……。に似てないですか?」

夜月よげつ、お前虫嫌いなのか?」

蒼蓮そうれんが聞く。

「す、少なくとも得意ではないです……。」

夜月よげつの表情が引きつる。

「良かったではありませんか。馬鹿でかい真っ黒なGで無くて。」

モカはまるで他人事だと言うように言う。

縁起えんぎでもないこと言わないで下さい!」

そんなやり取りをしている横で蒼蓮そうれん最大化マキシマム!と唱えると青い蓮のブレスレットがあの初めて会った時の青い鳥の『白嵐はくらん』に変わる。

夜月よげつも見よう見まねで最大化マキシマム!と唱えるとあの黒いコウモリの羽根のような黒い剣に変わった。


「あんまり固まらない方が良い!

と言っても夜月よげつ。オマエはその目があるか狙われるとは思うけど……。」

心配そうな蒼蓮そうれんはとりあえず夜月よげつの横につくことにしたらしい。

「とりあえず、なんとかやってみます。あの……それより気になることが」

と言葉を切り、モカを見る。

相変わらずさっきと変わらぬ場所に居て壁にもたれかかっている。

夜月よげつの視線に気付くと笑顔でヒラヒラと手を振った。

これから戦闘に入ると言うのになんとモカは丸腰なのだ。

それが気になったのだ。

蒼蓮そうれんも言わんとしたことを理解したようで、ダークに向き直った。

「さっきも言ったがアイツは色々と面倒でな。少なくとも放置しても死ぬような奴じゃないから気にしなくて良いぞ。」

「それなら良いんですけど……」

「…仕掛けてくるぞ。準備しろ。」


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