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エッセイ

私の愚かさを嘲笑い、律儀さを褒め称えてほしいエッセイ

作者: 暮伊豆
掲載日:2026/07/14

救急車で運ばれました。

人生初でした。

自分で呼びました。


あれは忘れもしない七月十一日土曜日。

私はいつものように山を歩いていました。

予定距離10〜12km、予定時間4〜5時間でした。

実際に歩いたルートはこちら。


https://yamap.com/activities/49606589


その途中で蜂に刺されたのです。

で、刺された理由が間抜けなのです。

上記ルートの3時間の地点で私は道を間違えました。よくあることです。

下記の画像では中心あたりから南西に下ってますよね。しかしその途中から西よりに曲がってます。これが間違いなのです。

で、私はいつも間違えた時は来た道を戻らず無理矢理元のルートに戻る主義なのです。

画像ではグイッといきなり真南に下ってますよね!? それです。

で、そのルートがシダの大藪だったのです。私の背丈ほどもあります。

さて、そんな大藪を漕ぐ時の注意点は……足元です。あまり見えません。

だから大穴が空いていたり蛇がいたりすると大変です。もちろん注意して歩きましたとも。シダを倒したり荊をかき分けたりしつつ。


挿絵(By みてみん)


そしてゴールが見えました。大藪の終わりです。ついに元のルートに戻れるのです。画像で黄色い矢印があるところですね。

刺されたのもそこです。


元のルートに戻る瞬間! ゴールによる気の緩み……両手でシダをかき分けたことによる無防備……

そこをまんまと狙われたのです!

まぁ、実際はそこに巣があったというだけの話でしょうが……

しかし、もし私の両手が塞がってなければ? 枝の茂った木の枝で撃退できたはずなのです! 薮の途中で面倒になって捨てた私が愚かだったのです! 三時間近く装備していた木の枝を……私はそんな理由で容易く捨ててしまったのです……


その結果……小さく、見知らぬ蜂に刺されたのです。右手の甲と左目を。ちょっと赤かった気もします。チャイロスズメバチ!?

激痛でしたが、すぐにスポドリを取り出し目にかけました。右手も同様に。吸うだけ吸ったりもしました。その後すぐ沢に飛び込み、よく流しました。まあ気休めです。


さて、ここからです。

車まで残り数km。下山するしかありません。本来の予定では下山してからもう一度違う山に登って車まで戻るはずでしたが、そんな時間はありません。

下山し、ひたすら道路を歩き車を目指しました。左目は激痛ですが右手は手袋もしてたし大したことない、そう思っていたこともありました。


さて、下山したら歩きながら電話です。

土曜日でも行ける病院、なおかつ目を診てくれるところを探します。

#7119で。


どうにか候補が見つかり、病院に電話してみます。

一軒目、目は診れない。

二軒目、目は診れない。

三軒目、とりあえず診てみましょうと。


少し遠いですが、そこに行きます。

着いたのは刺されてから一時間半後。悪くないタイムです。


とりあえず眼球は無事っぽいです。

眼科は専門ではないそうですが、まあ目が無事ならいいでしょう。

こうして薬をもらい特に注意されることもなく帰りました。

だって土曜日は七輪焼肉が私を待っているのだから。




さて、そんな翌朝日曜日午前八時。

目が覚めるとアレが襲ってきました。

そう、きっちり二ヶ月に一度襲ってくる目眩です。病院行っても治らない、ただ二、三日治るのを待つしかないというアレです。

しかし、今回のはいつもと訳が違いました。目眩+吐き気なのはいつも通りなのですが、吐き気が尋常でなかったのです。体感で一〜二リットルは吐きました。胃液も含めて。

しかも、クソ暑いのに寒気はする。扇風機の前にいるのに汗びっしょり。おまけに手足は痺れてくる。


目眩+吐き気+悪寒+多汗+痺れ!

時間が経つほど酷くなってくるのです。


さすがの私も恐怖してしまいまして。救急車を呼んでしまいました。

この時午前十時。

朦朧とした頭で荷物をまとめます。着替えやタオルやお薬手帳、昨日もらった薬。もちろん携帯の充電器も忘れません。


我が家は救急車が入るには道が狭いので玄関を開けて待ちます。玄関前で吐きながら……


そこに……


来ました!

救急車が!

隊員は三名。なんと頼もしいことか!


そんなこんなで救急車で隣の市まで運ばれること数十分。中でも数回吐きました。(もちろん袋に)


到着!

あれこれ検査をされます。

あれこれ聞かれます。

そこでまた私の愚かな点が発覚したします。

そう、昨夜の焼肉。もちろん酒飲んでます。これはいけません。


「昨日の病院でアルコールはだめと言われなかった?」


と聞かれたもので……


「いえ、言われなかったです」


と答えました。そう。本当に言われなかったのです。何をしろとも、何をするなとも。愚か者でごめんなさい……




そんなこんなで日曜日の夕食が本日一食目。一部吐きましたが全部食べました。

ちなみに左目の腫れは朝には引いてましたが右手はめちゃくちゃ腫れてます。グーが握れないぐらいに。


そんなこんなで七月十四日の火曜日。晴れて退院となりました。

目眩に関してはまた別の耳鼻科を紹介していただきました。


ところで、私はほぼ無職です。

土曜日の病院は1.2万。

今回の入院は6万。

無職には 何より厳しい 高出費。

悩みどころですね!


さて、そんな火曜日午前十時。

病院を出ます。もちろん初めて来た病院です。ここからバスの出発地がある大きな駅まで歩きます。タクシーなど使えません。


しかし、意外と近く迷うこともなく二十分ぐらいで着きました。しかも、発車待ちのバスもいるではありませんか。きっとあれです。

ちょうどドアが閉まってしまいましたが、手を振って開けてもらいます。田舎ですからね。


しかし、ここで最後の試練が私を襲ったのです。


金がない……


いや、もちろん万札はあるんですよ?

しかし、千円札は一枚もない……

私が降りたい場所はほぼ終点。値段はどんどん上がる……

五百円あれば足りるだろ、なんて余裕こいてた私の愚かさよ! 時間や乗り場は調べたくせに料金は調べてなかったのです……


財布から小銭をかき集めます。


意外とありました。

八百六十円。


バスが止まった時、運転手さんに聞きに行きました。


「◯◯だといくらですか?」


「えーっと……ちょうど九百円だね」


がーん……


「えっと、ではその手前だと……」


「えーっと、同じだね」


「じゃ、じゃあさらに手前だと……おっ、八百四十円ですか。じゃあそこで降ります」


料金表を見ながら教えてくれてたのです。

そして時間になりバスが動き出します。席に戻ります。


「行きたいのは◯◯なんだよね?」


運転席から心配してくれるイケオジ運転手さん。乗客は私を含めて三人。


「そうです!」


「それを△△で降りると結構歩くからなぁ……この天気だし……えーっと今いくらあるんだっけ?」


「八百六十円です!」


「うーん……じゃあこうしよう。◯◯まで八百六十円で乗せてあげる。それでいつかまたバスに乗った時に四十円払うってのはどう?」


「おおー! ありがとうございます! それでお願いします!」


話はまとまりました。田舎はあったけぇぜ!


さて、◯◯まで着きました。ここから自宅まで歩くのでもそこそこあります。炎天下です。退院したばっかりです。

しかし用心深い私は、ちゃんと用意しているのです。病院を出る前に濡らしたタオルを!

こいつを頭に巻けば!

炎天下でも無敵です!


二、三十分歩いて……とうとう懐かしき我が家に帰りつきました。

家の中はむわっとしています。

しかし、台所に放置していたバケツの吐瀉物や土間に放置していた生ゴミは、意外なほど無事でした。地獄絵図ではなかったのです!

まあ私いつも吐く時バケツに灰を入れておくんですけどね。そもそもほぼ胃液ですから数日だけならそこまで地獄絵図にならなかった可能性はありますね!


さて、ここからが本番です。

雨が降ってないのに繁茂する雑草や雨が降ってないから元気のないレモンはひとまず置いておいて。


バスの終点にある営業所まで出かけます。

歩くとクソ遠いですが車なら近いもの。

そう。四十円を払いに行きました。

事情を説明し、よぉ〜くお礼を言いました。

とてもいい日でした。

運転手さんありがとう!

◯◯バスフォーエバー!

救急隊員さんありがとう!

救急車フォーエバー!

お医者さんありがとう!

看護師さんありがとう!

◯◯病院フォーエバー!

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普段はこんなのを書いています。
こちらもよろしくお願いいたします。

『異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件』
― 新着の感想 ―
いや〜、本当に大変でしたね。 お大事になさってくださいね。
さすが、いろんな意味で凄えぜ。兄貴。
ハラハラしながら読んでおりました。 よくぞご無事で……。 運転手さん、いい人ですね。 40円律儀に返しに行った暮伊豆さんにも運転手さんにも良いことありそう。 お大事になさってください!
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