4/4
国の制度
「ケンさん、私のこと好きですよね」
「……ああ」
「素直ですね」
「ケイに嘘ついても無駄だろ」
「諦めていいんですか?」
「駆け落ちでもするか? 二人とも牢屋行きだ」
「でも……」
「親は無実で捕まった。証拠は全部でっちあげだ」
「私は、ケンさんのこと好きですよ」
「なんでだよ」
「読心に長けていると、内面の良いところが先に見えるんです。惚れやすい体質なんですよ」
「この前、見合いだったろ」
「そうですけど」
「なら無理だな。俺も依頼が終われば暗殺の家系と見合いだ」
「……」
「泣くなよ」
「泣いてません」
「拾ってくれたのは感謝してる。あのとき、俺を選んでくれただろ。ありがとう」
「自由恋愛もできないなんて……」
「この国はクソだ」
「……」
「だが、そのクソ制度で共産主義が回ってる。適性のない奴らも飢えずに済んでる」
「逃げましょう。他の国なら――」
「一族の最高傑作が何言ってる。無理に決まってる」
「……ごめんなさい」




