3/4
お見合いと言う名前の
「ケイさん。本日はよろしくお願いします」
「早く済ませましょう。お見合いという名の強制結婚ですし」
「恋愛感情が皆無というのも、どうかと思いますが」
「この国では常識です」
「……好きな方はいらっしゃらないんですか?」
「いませんよ」
「嘘ですね。困ります」
「同じ読心の家系同士、隠し事は無理ですよ」
「駆け落ちはやめてくださいね。一族が面倒なことになります」
「分かっていますよ。私たちは“最高傑作”ですから」
「だからこそ厄介なんです。別の誰かに感情を向けている」
「恋ではありません」
「では?」
「……庇護欲、でしょうね」
「全く」
「仕事、辞めたらどうです? こちらのカウンセリング業務は安定していますよ」
「辞めません」
「職場ですね。相手は」
「……」
「残念です。あなたを好きになれそうにありません」




