表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ツインテール無双!〜勇者召喚に巻き込まれたら、魔法少女になった件。そしたら、いつのまにか百合ハーレムが出来てました〜  作者: sha-k_3
第1章・かくして魔法少女は異世界に芽吹いた

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/24

第6話・襲撃インシデント

聖女の発言によって――あまり自分で言いたくはないが――まるで全ての人が消えてしまったかと思うほどに、この場は静寂に包まれた。

そんな中、わたしはポカンと開いた口から言葉を溢す。


「ま、魔法少女……?」


「えーと、はい……ヒカリ様の祝福は、【魔法少女】です」


聖女がそう言い切った瞬間、後ろで誰かが吹き出した。

それを聞いたわたしは、反射的に振り向いてしまう。

すると、勇者の有馬(ありま)がアホな顔をしたまま、百咲(ももさき)に思いっ切りぶん殴られていた。


「あんたねぇ! なに人のこと笑ってんのよ!」


「待っ!? ごめっ!? ちょ、殴りすギッ!?」


連続でボコボコと殴られる勇者を見て、わたしは思わず有馬のように吹き出しそうになるが、すぐに右手で口を押さえて耐える。


「その……ヒカリ様?」


「え、あ……ほんとに魔法少女? わたし、魔法少女になれるの!? やったぁ!!!」


(危な……仮面を取り落としてた………………)


聖女に声をかけられてハッとしたわたしは、無邪気に両手を高く上げて、跳ねながら喜ぶ。

そんな演技をしながら、コソコソと言葉を交わす貴族たちに、わたしは耳を傾けた。


『ま、魔法少女とは、いったい何だ?』


『たしか、私の先祖である勇者――が残した言葉には、『魔法少女とは、とても可愛らしく、そして少女らの勇者である』と……』


『つまりあの少女は勇者なのか!?』


『少しいいかな――子爵。我が先祖の勇者――の手記には、『魔法少女とは、酷く過酷であり、その責務は計り知れないもの……そして、自身すらも贄とする豪胆さを持った英雄だ』と、書かれていましたぞ?』


『何だと!? だがどちらにしても、とても強い祝福ではあるのか……』


『あのような幼き少女に、そんな酷い人生を歩ませる気か! 俺は反対だぞ、絶対な』


どうやら貴族たちは、【魔法少女】がどういった祝福なのか、その概念について推測をして、討論をしているらしい。


(いや……ただ女児向けか大人向けかの違いを言い合ってるだけでは? というか、何を伝え残してんの……)


なぜか魔法少女のことを後世に残した先代勇者に、わたしは心の中で呆れ声を出す。

そして1度口の中を噛むと、可愛らしい声を作って、あどけない笑みを浮かべながら聖女に話しかけた。


「ねーねー聖女様? わたしはどんな魔法少女になれるの?」


「ッ!? あ、えと……しょ、少々お待ちください………………」


聖女はわたしの言葉を聞くと、なぜか頬を少し紅潮させながらそう返事をすると、そっとまぶたを閉じる。

そして数秒すると、彼女は聖杖を胸元に寄せてゆっくりと目を開けた。


「はい、分かりました……?」


しかしながら、聖女の顔はいつも通りの微笑みが浮かんでいたが、その瞳には困惑の色が見られた。

彼女はどこか不安そうな口調ではあるが、今までと同じように、祝福の内容について語り始め()()()()()


「どうやら、【魔法少女】という祝福は――」











ドゴォォォォォォォオオン!!!




その瞬間、わたしたちの上方から、石材やガラスが粉砕される音、そして大きな爆発音が聞こえてきた。


「きゃあっ!? な、なんなのもう!」


「うおっ!? なに、爆発!? 某名探偵の映画の世界かなんかなん!?」


「………………殺気は感じないが……敵襲のようだな」


一緒に召喚された3人は、それぞれの反応を見せながら一斉に上を向く。

わたしも釣られて上を向くと、部分的に吹き飛んだ屋根から、地球と同じような青い青い空が見えた。


「皆様方、すぐに戦闘準備を!!!」


聖女の切迫した叫び声を聞いて、わたしは思わず彼女の方に視線を動かす。

先ほどまでの微笑んでいた彼女とは打って変わって、聖女は酷く真剣な表情を浮かべながら、聖杖を強く握りしめていた。


聖女が、言葉を続けて叫ぶ。


「魔族です!!! 敵は魔族です!!!」


次の瞬間、数多なる真っ赤な光が、わたしたちに降り注いだ。











「セイクリッドシールド!!!」


青白い光が半球状に展開され、わたしたちを守る盾となって全ての光を防ぎ、その場に煙が舞い上がる。

パリンッと光の盾が割れて、さらにその場の煙が晴れると、上空から、飴玉を転がしたような声が聞こえてきた。


「はーっはっはっはー! わたしは魔王軍四天王が1人、吸血女王(スカーレットクイーン)カーミラ様直属の軍隊の副隊長! クイーンサキュバスのエロイアちゃんなのだ! そして……この勇者召喚を、終わらせに来た! ってあれ? もう勇者召喚されちゃってるじゃん!?」


そこにいたのは、背中からコウモリのような羽を生やし、ピンク色の髪をサイドテールに結んだ美少女だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ