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異世界ツインテール無双!〜勇者召喚に巻き込まれたら、魔法少女になった件。そしたら、いつのまにか百合ハーレムが出来てました〜  作者: sha-k_3
第2章

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第27話・ぼんっ!

「はっ、はっ……はっ、はっ、はっ――」


おかしい、どうしてこうなった。


足を貫く痛みに思わず苦い考えが頭に過ぎると、視界の端に真っ赤な何かが飛んでくるのが見えて、それはすぐ真横の地面に着弾した。

その瞬間、着弾点から『ぼわっ!』と火の粉が舞い上がり、全身をパチパチと焼こうと襲いかかってくる。


「ぐっ、はぁ……はっ、はっ、はっ――」


わたしは砂煙と火の粉で喉を痛めながらも、爆風で崩れた体勢を立て直して足を前に出した。

そして断続的に息を吐き捨てながら、わたしは機械的に足を動かしていく。


「はっ……はっ、はっ……はっ――」


(あれ、百咲(ももさき)は……?)


いつのまにか、砂を踏み締める音が自分の足元からしか聞こえなくなっていた。

わたしは気付きに対して反射で首を動かすと、トラックとして引かれる白線の向こうの方で、地面に横たわっている人影がぼんやりと見える。


どうやら百咲はすでに、あの悪魔の手によって倒されてしまったようだ。


「くっ、まじ……はっ、はっ、はっ……はっ、まずっ!?」


よそ見をしたのが悪かったのだろう。

前を向いた瞬間そこに見えたのは、真っ赤に燃え盛る火の玉であった。


わたしは全力で迫る魔法から逃れようと、急いでその場にしゃがみ込もうとする。

しかし、戦闘経験もない一般人の反射神経では、目の前に迫る魔法を避けられる筈がなかった。




ぼんっ!!!




「あの、悪魔、め……」


耳元で生じた爆発音を聞きながら、わたしは肌の焼ける痛みと衝撃によって、その場に倒れ込んだ。

視界がだんだんと薄くなっていき、次第に意識が端っこから真っ黒く塗り潰されていく。


(なんで、訓練でこんな目に……)


最後にそう脳内で呟いたわたしは、そのまま意識を取り落とした。


どうしてわたしと百咲がこんな状況に陥っているのか、それは数十分前にまで遡れば分かることである――











朝ごはんを食べ終えたわたしたちは、黒髪低身長のメイドさんに連れ出されて訓練場へとやってきた。


「お2人様の方にはまもなく担当の者が参りますので、ここでしばらくの間お待ちください。それでは、モモサキ様とアヤセ様はこちらにお願いします」


メイドさんは2人にそう伝えてお辞儀をすると、わたしたちの方を一瞬だけ向いてからそのまま歩き始めた。

それにしてもどうやら、有馬(ありま)(たちばな)とはここでお別れのようだ。


恐らくだが、2人の祝福は剣術関連で、わたしたちの祝福は魔法関連なので、それが理由で別行動をするのだろう。


「あの2人、大丈夫かしら? ひかりちゃんも心配じゃない?」


「えと、緋珠(ひだま)お姉ちゃんはたぶん大丈夫だと思う。けど、有馬さんの方は……少し心配、かな……?」


わたしと横並びでメイドさんの後を追っている百咲が、こちらを向いてそう尋ねてくる。

それに対してわたしは正直な感想を言った途端、彼女は思いっきり吹き出してしまい、咽せてしまったのかゴホゴホと咳き込み始めた。


数秒ほど咳き込みながらも笑い続けていた百咲は、やっと笑うのを止めたと思えば、ギュッとわたしの方に体を詰めてくる。


「はぁ……ほんと、ひかりちゃんって最高よね。お礼にキスしてあげる」


「え………………?」


耳元に彼女の悪戯しい声が聞こえた瞬間、わたしの右頬に柔らかい何かがぴとっとくっ付いた。











ぼんっ!


(き、ききき、きすぅ……!? え、え、え、今の若い子ってこんなに距離感近いの!?)


百咲による破壊力抜群の攻撃によって、わたしの頭は大爆発を起こした。

まさか、初めてのキスが女の子からだなん――


(そんなの、エルに奪われてた、ワァ………………)


そういえば昨夜、わたしはエルに口同士でのファーストキスをしっかりと奪われていたのだった。

しかしだからといって、百咲がわたしの頬にキスをしたこととは、今は一切関係はない。


わたしと彼女とでは3歳も差がないのだが、このジェネレーションギャップはマリアナ海溝並みに深いのだろうか。


「ふふっ。なんだかひかりちゃん、あたしの妹とそっくりなのよね。可愛らしいとことか、意外と毒舌なとことか」


「え、毒舌……?」


まさか、リースだけではなく百咲にまで言われてしまうとは。

わたしとしては、それほどまでに辛辣な言葉は吐き出さないよう、しっかりと飲み込んでるのだが。


(なんだか、納得がいかない……)


キスされたことによる困惑と、毒舌という評価への不満でわたしの脳内がごっちゃになり始める。

わたしは肩を落としてごとっと首を下に向けると、てくてくと砂を眺めながら歩みを進めた。


「それにしても、鍛錬って何すんのかしら」


「え? うーん、実戦形式って言ってたから、魔法を実際に使ってみる、とか?」


百咲の問いかけに対して、わたしは彼女の方を向きながら返事をする。

そんな時、突然メイドさんの足音が聞こえなくなって、今度は顔を正面に向けた。


「……………………え」


立ち止まったメイドさんの目の前にあったのは、砂場から豪快に生えた1本の樹木だった。

首の関節がパキリと音を鳴らすほどに顔を上げてみるが、大きさはだいたい10メートルほどだろうか。


「リオン様。異世界の方々をお連れしました」


メイドさんが樹木に向かってそう声をかけると、返事のような小さな声を耳が拾ったような気がした。

それと同時に、葉っぱがガサガサと勢いよく音を立てながら揺れ動き出す。


「き、木が喋った、の……?」


「いや、ヒスイさん。さすがにそれは違うと思うよ?」


驚愕のあまりジリジリと後退している百咲に対し、わたしはそう声をかける。

次の瞬間、樹木の上の方から何かが凄まじい勢いで降ってきて、わたしたちの目の前に落下した。


「きゃっ!?」


「にゃっ!?」


「………………はぁ」


高く舞い上がっていた砂煙が、どんどんと吹く風に流されていく。

そして目の前が晴れてわたしの視界に映ったのは――











「ふわぁ……やっと来たのか? あまりにも遅すぎて、儂は昼寝を始めてたぞ?」


わたしと同じくらいのロリだった。

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