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異世界ツインテール無双!〜勇者召喚に巻き込まれたら、魔法少女になった件。そしたら、いつのまにか百合ハーレムが出来てました〜  作者: sha-k_3
第2章

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第26話・お喋りing

「あ゙〜! 食った食ったぁ! いや、まじ満足だわ」


「ほんと、いつもの朝ご飯よりも多かったわよ。にしてもあんた、サラダもちゃんと食べてたの珍しいじゃない」


「あのソースが美味かったんだよ。何なのかは全く分かんなかったけど」


一切口を開かずにただ廊下を歩いていると、後ろに続いている有馬(ありま)百咲(ももさき)の話し声が聞こえてくる。


わたしが自己紹介をした後は、特に何事もなくたわいも無い会話をしながら朝ごはんを食べ進めた。

そして十数分もして全部を平らげたわたしたち4人は、あまりにも完璧なタイミングで部屋に入ってきたメイドによって、食堂から連れ出されたのだ。


「いやでも、あのオムレツは星9つレベルだろ。それに緋珠(ひだま)もガツガツ食ってたしな」


「それはお前の方だ翔太(しょうた)。ワタシはしっかりと味わって食べたぞ、お前と違って」


しかしながら、いまだにメイドから行き先は伝えられていない。

わたしの予想だと、談話室のような部屋で重鎮の誰かからこの国についての話を聞くか、図書室で調べ物をするかの2択だろう。


(知識は力なり、って言葉もあるくらいだしね)


「あたしはコーンスープは1番だったわ。そうだ、ひかりちゃんは何が1番美味しかった?」


「えっ? うーん、わたしは……白パンかなぁ。あのモチモチ具合が美味しかった!」


唐突に百咲に話を振られたわたしは、ひゅんっと振り向いてそう言葉を返す。


そういえば1つだけ、自己紹介の後に変わったことがあった。

橘と百咲がわたしのことを、『ひかり』『ひかりちゃん』と呼ぶようになったのだ。


不自然さを感じてしまうほどに、2人の距離の詰め方が早い。

だが、これはわたしのあどけない少女の演技が、上手くいってることの証明になるのではないか。


(なんというか……複雑かも。心から喜べない……)


演技で騙すことが出来ているのは良いことなのだが、成功してしまうほどにわたしの身長が小さい、その事実が無防備な体に突き刺さってダメージを受ける。


「いーや、俺は米しか認めねぇ!」


「じゃああんた終わりじゃん。異世界なんだし、絶対に米よりはパンが主流でしょ」


「否定から入る男はモテないぞ。ワタシはひかりの意見は良く分かる、あの白パンは確かに美味しかった」


「味方ゼロすぎだろ俺……」


後ろからわちゃわちゃと聞こえ出した3人の声に、わたしは振り向くこともせずに呆れる。

メイドさんが案内してくれているにも関わらず、あんなにも自由にお喋りが出来るのはもはや才能だと思ってしまう。


わたしは視線をまっすぐに向けると、黙々と廊下を進んでいく黒髪で低身長のメイドさんの背中が見える。

リシア様やわたしと同じくらいの身長のように見えるが、この世界における成人の年齢は一体いくつなのだろうか。


(よくあるのは15歳とかだけど……)


そんなことを考えながら進んでいくと気が付けば、人工の明かりではなく自然光が廊下に入り込んでいるように見えた。


「と思うんだけど……ん? なんか明るく(まっぶ)しッ!?」


「おぉ……見事な快晴だな、これは。雲ひとつ流れていない」


「なんだか拍子抜けね。太陽も1つしかないし」


(さすがに、眩しいな……)


右手をおでこの辺りに置いて日光から目を隠し、そのまま上を見上げれば晴れ晴れとした青空が広がっている。

普通な感性ではこんなにも気持ちの良い空は最高なのだろうが、わたしとしては日光が遮られる曇り空の方が断然良かった。


それにしても、昨日の襲撃の際にもこんな青空を壊れた天井の隙間から見て思ったのだが、やはり地球で顔を上げればいつでも見れた空との違いが一切見受けられない。

ファンタジー小説を読むときにも良く思っていたのだが、どうして異世界と地球にはこれほどまでの類似点が見つかるのだろうか。


(ま、全ては神のみぞ知ること……ってね)


そんな哲学的(フィロソフィカル)なことを考えて空を眺めていると、先ほどまでは静止していた足音が再び聞こえ出す。

足音に釣られて正面を向き直せば、わたしたちの様子を見て止まってくれていたのだろうメイドさんが、黙々と進み始めていた。


「なんかここ、運動場みたいだな。一面めっちゃ砂だし」


「あんたにとっての地獄じゃないの? それ」


「うるせぇ! マジなこと言うなよ」


ザッザッと砂を踏んで鳴らしながら、メイドさんに続いて歩いていく。

有馬の言った運動場という言葉は酷く的確な場所であるが、どうして外に出る必要があるのだろうか。


「すまない、質問をしてもいいか?」


唐突に足音を消した橘に声をかけられて、メイドさんが短い黒髪を揺らしながらこちらに振り向いた。


「はい、大丈夫です。どうかなさしましたか?」


「どうしても気になってしまい、質問するのだが……このような場所に出て、ワタシたちは今から何をするのだ?」


橘が申し訳なさそうな表情を浮かべながらそう問いかけると、メイドさんが「あ、しまった」とでも言いたげな顔をしてから口を開いた。


「目的地をお伝えするのを失念していました。今から異世界人の皆様には――」











「本日から訓練場において、実戦形式の鍛錬を開始してもらう予定です」



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