壁紙には。
写真ではなくて たった1色の色鉛筆で描いた
愛犬の姿があって いつまでも壁紙に貼られていた
丸まっている ただじっと待っている 描かれるのを
いきおいよく描いただけの 飼い犬の姿がそこにある
価値はないかもしれないが まだ生きている気がする
寝室の片隅に かつての愛犬の姿 ふわふわの毛並み
カレンダーの裏側の真っ白なキャンバスに 描いた
立派な額縁にも入れずに ピンセットで貼りつけてた
舌をチロッと出していたから チロという愛犬の名前
カレンダーの裏側は真っ白で、絵を描くにはちょうどいい。