マッチョ売りの少女伝説
静かな田舎町にスポーツジムがあった。
インドア派が多く、外で遊ぶ子どももほとんどいない。活気があるとは言いがたい田舎にだ。
ジェニファーは父親が経営する小さなジムのトレーナーとして、町の人々に筋トレを勧めていた。
ジェニファーは幼い頃からスポーツが大好きで、特に筋力トレーニングには情熱を持っていた。
15年鍛え上げたジェニファーの姿を例えるなら、密林に住むらしい王獣ゴ・リラである。
冬が近づいたある日、ジムの会員数が減少し、家計が厳しくなってきたことを知ったジェニファーは、何とかしてジムを盛り上げる方法を考えた。
ジェニファーは町の中心部に出かけ、筋トレの素晴らしさを広めることにした。
手書きのチラシを配りながら、道行く人々に筋トレの利点を説く。
「やあ諸君! 君たちもマッチョにならないか! 健康になるだけでなく、自信もつきますよ! 強い男はモテるが強い女も美しい!」
とジェニファーは笑顔で声をかける。
「え、君、あそこのスポーツジムの子だろ。ぼく、運動神経ないし無理かなぁ」
最初は戸惑う人も多かったが、ジェニファーの情熱と明るい笑顔に次第に引き寄せられていった。
雪がちらつき始めた日も、ジェニファーは町の広場で筋トレのデモンストレーションを行った。
腕立て伏せ、スクワット、シャドーボクシング。
「さあみんなも一緒にマッスルマッスル! 汗が宝石のように輝きますよ!」
ジェニファーは簡単なエクササイズから始め、徐々に難易度を上げていく。
見ている人々も次第に興味を持ち、ジェニファーと一緒に体を動かし始めた。
ジェニファーの努力のおかげで、ジムは再び賑わいを取り戻し、家計も安定してきた。
ジェニファーの姿勢と情熱は、町の人々に健康の大切さを再認識させ、多くの人が筋トレを始めるきっかけとなった。
「筋トレをするようになってからだろうかね、最近は腰痛がなくなったんだ」
「あたしはウエストが引き締まって胸が大きくなったの!」
田舎町は、ジェニファーのおかげで健康で活気に満ちた町へと生まれ変わり、老いも若きもみんなマッチョになった。
健康寿命は他の街より高い。町の最高齢100歳の爺様も、毎日ステーキを食い50キロのバーベルを100回上げるくらいの元気さだ。
ジェニファーは町を生まれ変わらせた「マッチョ売りの少女」として伝説となった。