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第28話 復讐の誓い

「・・・そうか」


とある下水道を拠点にしているギルドーーー鎖蛇(チェーンスネーカーズ)ーーーの棟梁は、部下からの報告を受けると苦虫を嚙み潰したような顔をした。


報告の内容はこうだ。


殺人や略奪を繰り返している犯罪ギルド『鎖蛇(チェーンスネーカーズ)』を討伐するために、様々なギルドが参加する『人界大同盟』が動き出したというものだった。


戦力は、


小規模ギルド:

『朝焼けの軌跡』・・・10名

『凪』・・・20名

『ケモ耳愛好会』・・・25名

『青薔薇戦士団』・・・30名

『木漏れ日の大地』・・・55名

『風の導き』・・・70名(元中規模ギルド)


中規模ギルド:

『清涼の海風』・・・100名

『美少女親衛隊』・・・120名

『日の出同盟』・・・150名

『人界守備軍』・・・300名


大規模ギルド:

黒騎士団(ブラックナイツ)』・・・500名

閃光の道(シャイニングロード)』・・・700名


『人界大同盟』は、人界に存在するギルド18のうちの12が参加している大同盟だ。


発案者は『閃光の道(シャイニングロード)』のギルドマスターである『光の勇者』エレンだ。昔は彼の代名詞ともいえる『閃光(シャイニング)』が名前になっていたが、彼が強く拒否したため誰も呼ばなくなった。


その結果、ゲームも彼の名前をエレンだと再認識して自動的に名前が変更されたというわけだ。


人界最高峰の大規模ギルドの発案であることも加味し、なんと半数以上のギルドが参加しているというわけだ。


つい()()()()まで『煉獄の剣』も参加していたのだが、『閃光の道(シャイニングロード)』とひと悶着あったそうで現在では脱退している。


「ずらかるぞ」

「承知いたしました。・・・僭越ながら一つ質問よろしいでしょうか?」


棟梁に報告を行った部下は、どこか遠慮しつつも堂々と質問の許可を待った。矛盾しているような態度だが、棟梁の目にはそう映ったのだ。


「なんだ?言ってみろ」

「ありがとうございます。それでは一つ・・・連合軍と戦わないのですか?」

「ああ」


棟梁は躊躇う素振りも見せず、即効でそう答えた。


その速度はまさに戦っても勝てない、と暗に意味しているようなものだ。


しかし、それはある意味で正しい。メンバー200名程度の中規模ギルドである『鎖蛇(チェーンスネーカーズ)』だけでは、この連合軍には歯が立たない。


一部、戦力差すらも無意味な強者達がいるにはいるのだがそれは相手も同じ。


『光の勇者』だけならば問題はないが、『大天使』やその他ギルドの主力メンバーまでくるとなると話は変わってくる。結局数の前にはなす術がないのだ。


「『閃光の道(シャイニングロード)』だけならまだ勝機はあったが、ここに『黒騎士団(ブラックナイツ)』まで加わるとなると流石に厳しい。中規模ギルドもそこそこ厄介だ。『風の導き』も半壊させたとはいえ、主力メンバーは健在。となると逃げるしか選択肢がない」


彼にとっても苦渋の決断だったようだ。この住み慣れた土地を捨て、逃げ隠れしながら生活するとなると精神はすり減るし、何より彼らの目的がまた一つ遠ざかってしまうのだから。


それに団員の大多数を置き去りにせねばならない。団員たちは棟梁に返しきれない程の恩があるのでそれすらも受け入れているのだが、棟梁はそうすぐに切り捨てることはできないようだった。


そういう性格だからこそ、棟梁は団員達に好かれているのかもしれない。


「申し訳ございません。私の配慮が足りず、不快な思いをさせてしまいました。どうぞ何なりと罰をお与え下さい」


そう言って()()は懐から鞭を取り出して棟梁に差し出した。


すると棟梁は不快そうに顔を歪めて苦笑した。


「お前の忠誠心は見上げたものだが俺は生憎そういった趣味はない。それはしまってくれ」


そう言って棟梁は差し出された鞭を彼女へと返却した。


「では今晩寝室にお供させて頂くというのはいかがでしょうか?」

「・・・まあお前が良いなら好きにしろ」


棟梁は少し面食らった表情をしていたが、すぐに元のポーカーフェイスに戻った。


()()()からそう言われると流石の棟梁も表情を変えるようだ。これは珍しい。


「棟梁。敵がこちらへと迫ってきております。退避されるならすぐにでも始めた方がよいかと」


すると、下水道から地上へと上がれる階段のうちの一つから幹部と思われる人物が忠告をした。


「そうか。では行くとしよう」

「「「「「は!我々はどこへでもついていく所存にございます」」」」」


薄暗い下水道の中、幹部五名を引き連れた棟梁は誰にも聞こえない程の小さな声で、しかし力強く呟いた。


「必ず貴様らの息の根を止めてくれるっ!『()()()()』!!」


棟梁が燃え上がる怒りに身を任せ、右手を強く握りしめた。


その手からは血が流れだしていた。

ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!!


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お気軽にどしどし送ってください!!




次回も16時投稿です。よろしくお願い致します。

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