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第18話 VS大狸

ドスン!ドスン!


地面が揺れる。天井から砂がパラパラと落ちてきた。すると洞窟の奥から巨大な何かが出てきた。


「あ、ああ・・・」


揺れに気が付いたのか、銀髪の美女は後ろを振り返った。体が小刻みに震えている。


「え・・・?なんでコイツがここに・・・」


彼女の後ろには岩壁洞窟の出現モンスター一覧には載っていない、体長4メートルはあるだろう大きい狸がいた。


「我、貴様、殺す」

「は?喋った?」


謎の大狸は、俺の方を凝視しながらそう言った。


「あ、あ、あの魔物は何故か喋るんです。それにかなり強くて私では全く歯が立ちませんでした…」


俺の隣にいる女の子は、体を小刻みに震わせながら目に涙を溜めていた。


その顔は、恐怖と絶望によって歪んでおり完全に戦意が喪失されていた。


「俺が今から相手するから、君は下がってて」

「で、ですが!!」

「いいから俺に任せてくれないか?」


彼女の顔を真っ直ぐ見つめながら俺はそう言った。


すると彼女は、少し顔を俯かせながら両手で俺の右手を握ってきた。


「!?」

「危なくなったら一緒に逃げましょう。私は、少し離れた場所で見守っています。押し付けたような形になってしまい、大変申し訳ないです…ご武運をお祈りしております」


言い終えた彼女は、俺の手を握る力を少しばかり強くした。


まるで雪のように白く、柔らかい手が俺の右手を包み込んでくる。かなり近づいたせいか、彼女から発せられる良い香りが鼻筋をすぅっと駆けていった。


美鈴以外の女の子と手を繋ぐのは、何気に初めてなので思わずドギマギしてしまう。


「あ、ああ。任せてくれ」


不安に押し潰されそうになっている彼女に、俺は優しく微笑みかけた。


いかんせん洞窟の中が暗かったのでよく見えなかったのだが、彼女の顔はほんのり赤く染まっていた。気がする…


俺の手から離れて、20メートル程後ろに下がった彼女を確認すると、再び狸に向かい合った。


どうやら空気が読める系の狸(?)らしく、この間には特に何もしてこなかった。


「さて、戦う前に一つ聞かせて欲しい。お前は何故俺を殺したい?」

「それが、主の、命令であり、我の、望み、だから」

「主だと!?お前は命令されてたのか?いや、そんなことができるアイテムなんて聞いたことがない…お前の主は誰なんだ!!」

「質問は一つ、までだ」

「ちっ!!」


狸がこちらへと急接近して、その太い左腕を大きく振り下ろしてきた。


俺は素早く右へと攻撃を回避しながら狸に向かって鑑定眼を使用した。




《鑑定妨害》




「何!?」

「死、ね」


鑑定が妨害された事に驚いていると、狸はすかさず左腕を横へと薙ぎ払ってきた。


迫り来る太い腕をバックステップを使い、スレスレで回避した。あと数秒遅かったら直撃して大ダメージを受けていただろう。


「ちっ!『魔王覇気』!」


地竜(アースドラゴン)をも軽く上回るレベルの覇気を放つが、大狸の猛攻は止まらない。それはすなわち、イングストのレベルよりも、この大狸のレベルの方が高いということを意味していた。


「止まらねぇかよ…コイツ何レベルだ?」


狸が、自身の太い腕を乱暴に振り回してこちらへと振り落としてきた。


なんとか全て回避できているが、『魂喰らい(ソウルイート)』が弱体化した影響で決定打を打てないことが歯痒い。


「これは地道に削るしかない、か。『火炎槍(フレイムランス)』!」


ードゴーン


機動力の確保のため、杖を使わずに右手から放った高熱の炎が狸に着弾した。


しかし、全くもって気にしている様子がない。どうやら殆どダメージが通っていないようだ。


「炎が効かないのか?それとも地竜みたいにただ硬いのか?」


岩壁洞窟を探索する際の連戦でMPが5分の1程削れていたので、魔法を乱発できない。効率よく倒さなければ、先にこちらが消耗し切ってしまう事は明白だ。


(どうする?コイツ(大狸)との距離があまり取れていない今の状況下では、『爆発(エクスプロージョン)』は使えない。俺も巻き込まれてしまう。かと言ってDランクの魔法である『暗黒砲(ブラッディカノン)』程度では決定打になり得ない)


俺がひたすら回避を行いながら思案していると、腕を乱雑に振り回していた狸が動きを止めた。


「以外としぶとい。そろそろ本気、だす」

「何!?」


今まででも十分に強かった狸が本気をだすとか鬼畜じゃないかな?


すると、突然どこからともなく『カチ、カチ、カチ』と音がしてきた。まるで、石と石をぶつけ合っているような音だ。


「さっきから、カチカチ、というのは、何の音、だい?」


すると狸の背中から炎が発生し、モウモウと煙が上がりだした。


五感が完全にゲームの世界と共有されていることもあり、俺の鼻には煙の臭いが絡みついてくる。


「おいおいまさかこれって…」


物凄く聞いたことのある流れだぞ?


「カチカチ、山の、カチカチ鳥、が、鳴いて、いるんだよ」

「一人二役なのかよ…」


どうやら耐久力が高いのではなく、炎魔法が効かなかったらしい。


「あちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちち」

「おいどうした!?」


急に頭がおかしくなったのか?にしても怖すぎるだろ!!


背中に炎を纏った大狸はこちらを向いて、不敵な笑みを浮かべた。


「さあて、今度こそ、殺す」

ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!!


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お気軽にどしどし送ってください!!




次回も16時投稿です。よろしくお願い致します。

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